ムラサキ(Lithospermum erythrorhizon): 華岡青洲の薬の原料

世界ではじめて麻薬手術を行ったとされる華岡青洲の考案した「紫雲膏」が熱帯の感染症リーシュマニア症に効くことがわかったと報道されていました(毎日新聞1/19朝刊)。

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この病気はサシチョウバエにさされたとき原虫が体内に入って、皮膚や内臓に障害をおこすもので、死に至ることもあるそうです。治療には重金属のアンチモンを含んだ薬が効くのですが、強い副作用がともないます。カリフォルニアにいた頃、南米に発掘に行った友人のジムがこれにかかり、定期的に注射をしなければならず、そのあと顔がどす黒くなって、体力、気力がおちて、苦しんでいたことを思いだし、人ごとではない想いがしました。

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紫雲膏の原料はムラサキ(Lithospermum erythrorhizon)。古くから、薬草、染料としてつかわれ、万葉集の「あかねさす むらさきのゆきしめのゆき のもりやみずや きみがそでふる」という額田王の唄でも有名です。紫野で薬猟をしてたのでしょうね。植物の辞典をみると「日本全国の山野の草地にまれに生える多年草」と書かれています。奈良時代から栽培もされており、いまでも熱心に取り組んでいる人がいるそうですが、病虫害に弱く大変なようです。絶滅危惧種レッドデータブックのIBに記載されていますが、吹田にはもうないのでしょうか。あればいっぱい増やしてみたいですね。新聞には十分な量が確保できれば、多くの患者を救えるはずとありました。

(カンチョー)

ムラサキの写真(下)はWikipediaより

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