ヒトガタ考(その2)

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最初のヒトガタ

飛騨で紙のヒトガタが今もふつうに使われているのを知って驚いたわけだが、そもそも人がはじめて、人の姿を具体的に表現したのはいつのことだろう。現在のところわかっているのは2.8万~2.4万年、上部旧石器時代のヨーロッパである。けっこうたくさん見つかっているのだが、なかでも有名なのはヴィレンドルフのヴィーナスと呼ばれる石灰石の彫像である。サイズは手のひらに入るくらいだが、豊満で頑丈な体つき、とくに乳房、腹、太ももが強調されている。これは妊婦だろう。しかし、ふしぎなことに、顔は表現されていない。

多産の母とは、豊穣のシンボル。子孫でも、食糧でもたくさんあってほしいというのは、気候や動物の生態による変動にに左右されながらも、自然の恵みに縋らざるをえなかった3万年近く前の人々がつねに考えていたことだろうし、その後もずっと私たちの祖先が保ち続けて願いだった(それにしては、現代の日本が少子化になやまされているのはのはなぜだろう。親どもは、自分たちの快適な生活がさきと言うのだが、基本のところでは食糧饑饉を恐れているのではないか。それとも人類に未来は要らない?)。その証拠に、よく似たビーナス像は、その後、世界中に広がっていく。そういった現象を、ユング心理学の河合隼雄さんは、普遍的深層心理なかの一つの「元形」、グレート・マザーがイメージ化されたものだというのである。

(カンチョー)

写真は、ヴィレンドルフのヴィーナス(村川堅太郎ほか著 『詳説 世界史』 山川出版社 1975より・・・ぼらの高校時代の教科書デス)

コメント

  1. てつ より:

    これ 土偶ですか? 高校時代 缶蹴りと 胴馬しかしてなかった 僕にだって 判ります 土偶 どぐう^_^;

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