万葉集にはたかだま(竹玉)ということばがでてきます。これは竹を輪切りにして、ビーズ状にしてつないで、身体や、神に供える酒器をかざったものでしょう。緑色は人工的に固定するのが難しいので、古くから、緑色系の石がアクセサリーとして珍重されていたようです。
縄文時代、三内丸山には数百キロも離れた新潟県の糸魚川からヒスイがはこばれていたことがそれを証明しています。古墳時代には副葬品として、碧玉製の緑色の玉がよく出てきます。また、祭祀に使われた遺跡には石製模品とよばれる滑石製のタカダマが剣や鏡をもしたものとともに奉納されています。タカダマはこのころのアクセサリーの主流だったと思われます。
今、スズタケが盛んに芽を出していますが、幹(カン)の部分は鮮やかな緑色です。それを一寸細工するとネックレスができました。色は長持ちしないのですが、ちょうど乙女が髪に挿した花と同じように、瞬時の美しさが愛でられたのではないでしょうか。ササが神事によく使われることも、一回限りの禊ぎが重要である日本古来の信仰とつながっているのかもしれません。
(カンチョー)
コメント