すいはくには開館以来の講演会録音テープが蓄えられており、最近はO氏の精力的なビデオ録画がよせられています。その整理とリトリーバル(取り出し)システムを作ろうという声が「盛り上げ会」からでて、先日一応の案がまとまりました。現在のところ資料は500点前後なので、試行錯誤しながら、手作業に近いかたちでやることにしたのです。
というのはこれは大きな問題を含んでいるからです。似たものとしてすぐ思い浮かぶのは「本」です。しかし、「本」は著者、タイトル、発行年月日等の書誌があり、しかもほとんどのものが取り扱いやすいかたちにまとめられています。それを収蔵し利用するのは図書館ですが、これは図書館大学があるほどに、システムが発達しています。
ところがテープやディスクなどは、かたちは最近ハンディになったものの書誌がついていないので厄介です。わたしたちが、試行錯誤レベルで止めることにしたのは、博物館には、同じような資料として、収蔵庫にある(展示)資料のほか印刷物としても、古文書、ポスター、チラシ、そして写真なども、将来は当然、処理できるようになることが望ましいからです。かたちもさまざま、しかもその数は厖大です。
そこで参考になるのはみんぱくの 梅棹資料室です。これは、「梅棹忠夫アーカイブ」と新聞や雑誌に書かれているものです。アーカイブとはなにか?辞書にはrecord(記録)とありますが、ほかに、「記録を集め、公開している施設」とあります。アーカイブはフランスで、革命後の1879年に国営事業としてはじまり、その後、欧米各国に広まったのです。ところが、日本にはarchiveの訳語はなく、国語研究所は言い換え語として、「保存記録」、「記録保存館」を提示しているほどです。つまり、アーカイブは日本ではまだ定着してないのです。
梅棹忠夫アーカイブには著作物の現物のほか、一件ファイル、フィールド・ノート(一部は万博展(07EXPO70)でお借りして展示しましたね)、図譜、直筆原稿、写真(34,000コマ)などがあり、一枚の紙切れも、情報として書棚、ファイル、箱におさめられています。取り出しと収納は手作業でやっているのですが、あっというまに当該資料ががでてきます。システムは、40年まえにかかれ今も売れ続けている(何と現在80刷)『知的生産の技術』に書かれた法則にしたがっています。ここには梅棹さんの学問、民博のこと、70年万博などの具体的記録がつまっているのです。これは日本における確立したアーカイブとして、記念すべき文化遺産なので是非とも残したいものですが、あのみんぱくでもどのようなかたちで受け入れればよいのか、あまりに費用がかかりすぎると頭を悩ましているそうです。
(カンチョー)
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頭の中が「きりきり・・用語の使い方が不適切かも?」しています。■分類するな、検索せょ・・グーグルの世界<探せ/検索>/私なしの世界に?・・■とは「何か」で、本質に迫ると・・今での用語で、創造をフリーズ・・現実は、ing<動の世界>創造破壊してはかの言い換えか 結局、足軽おちゃんの持病かな -きょうちゃんの日日-