昨夜テレビで「全盲の天才ピアニスト辻井伸行」という番組があった。天才少年からプロのピアニストへの厳しい道のりを歩み出した姿を映像記録でしめしたもの、たいへん感動した。はじめて作曲したという「川のささやき」のピアノ曲が演奏されたとき、ヘレンケラーの自伝の一節が思いうかんだ。彼女が、庭でサリバン先生から、手のひらに水道の水をかけてもらったとき、その感触から、突然晴れた空やさわやかな風や、あたたかい日の光が「見えてくる」という場面である(うろ覚えだけど)。辻井さんのピアノ曲にはそれにつうじる感覚がみちみちていた。見ることにたよる私たち晴眼者にとっては、共通するところもあるが、全く異なる感性の世界がひろがっていると気が付いた。
9月に行った「さわるー五感の挑戦」展は5年計画で行っているものだが、すでに今年は4回目、残すはあと1年である。試行錯誤を続ける「実験展」だ。入場者は多くないものの、世の反響は意外と大きい。わたしはこれを、すいはくから全国に向けてのメッセージだと考えている。それをより強く伝えるためには、どのように展開すればよいのか、今アドバイザー役の広瀬さんと考えているところである。
(カンチョー)
コメント
辻井伸行さんの番組みました。楽譜を見て弾く音と耳からの音を表現するのと…ぜんぜん違うのですねぇ。「ヘレンケラーの景色」というタイトルがいいなあと思います。