春季展「近代趣味人の美意識ー第11代西尾與右衛門の世界」も残すところあと2日となりました。千家十職釜師の第16代大西清右衛門氏の講演「茶の湯釜の美と鑑賞」(5月31日(土)午後2:00~3:30)と「大大阪ジャズ大会」(6月1日(日)午後1:30~3:00)のみとなりました。
さる25日には中村昌生先生(京都工芸繊維大学名誉教授)による講演「数寄者の住まいと西尾家について」がありました。旧西尾家の家屋は二階建てではあるが、そびえたつようにではなく、環境に溶け込むようなたたずまいを心がけていて、これが数寄者の思想(美意識)であると指摘されました。また、町屋大工の成熟期は明治・大正・昭和初期にあたり、その時代の大工技術を世界無形文化遺産に登録したいものだ、とアピールされました。和食にしても大工技術にしても、危機的状況にあるようです。夏季展の副題は「まもる自然・つくる環境」ですが、「まもる技術・つくる建物」という発想も大切だと感じました。伊勢神宮の式年遷宮はまさにその好例ですが、古民家にもあてはまるとおもいます。
中村先生の講演のあと、西尾和子さんと西尾祥子さんも交え、応接室で歓談のひとときをすごしました。
(アルプスの少年)
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