万博は、ちょうど私が千里ニュータウンの東町に越してきた年のことでした。ある日新聞に告知が出て、万博に出演するためタイから船積みされて神戸港に着いたゾウ21匹が、西国街道から北千里を通って会場まで行進してくるというので、当時2歳だった息子と、母と北千里まで見に行きました。
万博には国ごとに「ナショナルデー」という日が会期中に一日あって、その日はお祭り広場で特別な出し物をするのです。そのためにタイでは、はるばるお国からゾウを運んできたのでした。タイを出発したときは20頭でしたが、船の中で赤ちゃんが1頭生まれて、21頭になったということです。今なら港からトレーラーなどで運ぶのでしょうが、そのころはそんなに多くのゾウが運べるクルマもなかったのか、歩いてくることになったのです。
沿道は見物の人たちでにぎわっていましたが、押し合いへしあいというほどでもありません。クルマも今ほど多くなかったから、行進ができたのでしょうね。北千里から藤白台にかかる藤白橋の上のいい場所で、カメラを構えることができました。夏の天気のいい昼下がりで、女の人は日傘をさして待っていました。やがて箕面のほうから、ゾウの群れが歩いてきました。赤ちゃんゾウもしっかりと自分の足で歩いていました。私も息子を連れて、橋の上からシャッターを押しました。
(by Aさん 聞き書き okkun)
※大阪万博のタイ国のナショナルデーは、1970年8月12日(水)でした。
※ゾウは神戸港から万博会場までを1日で歩けず、武庫川の河原で一晩野宿したそうです。
※ゾウはしばらく日本にいて、会場近くの山田の一角に、やたらとたくさんゾウがいたらしいです。
※こちらのブログもご覧ください。
コメント
こんにちわ、はじめまして。4月の程さんおいしい展のお手伝いをさせていただく予定で、ググっていたら、こちらにたどりつきました。象行進の写真に大感激です。びっくりいたしました。ちょっと興奮しています。また、上の記事に長瀬さんがいらっしゃるのもトリプルで驚きました。また、おじゃまさせていただいてよろしいでしょうか?
wakadasさん、ようこそ!もちろんいつでもいらしてください。関連情報をありがとうございます。
山田あたりにうじゃうじゃいたゾウの写真を誰か持ってないかしら。吹田で最後にいたゾウだよ。
音はないんです(^_^; デジタル化 勿論 それも大切な事ですが 千里ニュータウン展の時 そのままの フイルムを あの 昔みた「カタカタ」の音の中で見た 8ミリは それは それで 懐かしく 泣けましたよぉ(^^)
[…] 直近のお知らせですが、今週末・11月12日(日)!まだ新築の香りさめやらぬ北千里公民館(まちなかリビング北千里内)で、1970年8月4日、北千里を歩いていった「ゾウの行進」に関する映像上映会と座談会があります! […]
[…] 新千里東町のAさんからとっておきの写真をご提供いただき、デジタル復元してみました。 1970年夏、北千里駅前を箕面今宮方面から万博方面に行進するゾウの大群!藤白橋の上から撮られた写真です。 ゾウたちは、当時開催中だった万博のタイ国の「ナショナルデー」(1970/8/12・水)と夏休みイベントの「象まつり」(8/12-20)に出演するため、はるばるお国から船に乗って日本までやってきたのでした。神戸港で上陸し…歩け歩けとばかりに万博会場まで行進してきたのです!武庫川の河原で一泊し、西国街道(国道171号)→今宮で右折→千里二号線(またの名を千里東筋、現愛称は千里けやき通り)→万博会場へ… 行進を目撃したAさんの証言によれば、タイを出発したときは20頭だったのが、船の中で赤ちゃんが1頭生まれ、21頭になって赤ちゃんゾウも自分の足で歩いてきたそうです。新聞等で「北千里をゾウが通る!」と告知を見て行ったとか…。歩道に咲いた日傘の花や、等間隔に並んだ整理の警官からも、当時の興奮が伝わってきますね。 「ナショナルデー」は愛・地球博でもあったかと思いますが、万博の会期中に1日だけ、国ごとの「特別な日」があって、お祭り広場でお国を紹介するイベントをやったのでした。 こんな大事件が身近であったら当然僕も見に行ってたようなもんですが、記憶にありません…北千里を通ったのは平日だったのかな?…あ、でも夏休みか… 長旅をしてきたゾウはイベント後もしばらくの間、万博近辺の山田のあたりにとどまっていたそうです。(この写真を誰かお持ちではありませんか?) この写真、当時の北千里の記録としても貴重で、街路樹が小さく夏なのに緑が少ないこと、交差点がスクランブル信号になっていないこと、右折車線の中央分離帯の切り欠きがなかったことなど、今との違いをたくさん見つけられます。 こちらのブログにも投稿していますのでご覧ください。 […]