6月8日、旧西尾家住宅の計り部屋(はかりべや)で特別イベントとして、中川 理氏(京都工芸繊維大学教授)、円満字洋介氏(京都精華大学非常勤講師)、小林淳男氏(武田五一研究家)の三人によるトークショー「武田五一を語る」がありました。
舞台は掘りごたつ。武田五一は1929(昭4)年に竣工した自邸に自ら考案した「改良こたつ」を取り付けました。この「改良こたつ」は現在の「掘りごたつ」の原型のひとつと考えられています。
武田五一(たけだ ごいち)を語れば日本一と自称する三人のトークは内容も濃く、楽しいひとときでした。
武田五一は旧西尾家住宅の「離れ」を作ったことで有名ですが、離れと同時期に主屋(おもや)の座敷の広縁も作りました。このほか邸内の台所や家具も作ったそうです。
トークショーでは旧西尾家住宅内にある家具・調度などの一つ一つを映写して、「これは五一の作品だ」「いや、これは購入したものだ」と研究家らしく解説していました。
この後、参加者は旧西尾家住宅のボランティアの案内で武田五一の作った「離れ」などを見学しました。
「離れ」には阪田三吉が西尾家で将棋の指南をしたときの将棋盤がありました。
武田五一:明治5(1872)年11月15日~昭和13(1938)年2月5日 享年65歳
「関西建築界の父」とも言われる近代日本を代表する建築家の一人。
主な作品
京都府立図書館(1909年、京都市)
山口県庁舎(1916年)
桜ノ宮公園(1923年開園、大阪市)
農人橋、堂島大橋、四ツ橋、高麗橋、桜宮大橋、大江橋、渡辺橋、肥後橋(1926年、大阪市)
平安神宮大鳥居(1929年、京都市)
大阪城天守閣(1931年 大阪市)
同志社女子大学栄光館(1932年、京都市)
大阪地下鉄のマーク(意匠)も武田五一の作とのこと
(おーぼら)
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