第16回KOSMOSフォーラムのコーディネータとして、日本の21世紀の森は、誰が支え、どう利用するのかを具体的に示すことはできないかとおもっていました。これまで、日本の里山を作ってきたのは農業と林業の人たち、しかし、両者とも極端に数を減らしている。それは里山に、これまでのような経済的価値がなくなったためでしょう。
現在、都市化が進んだ地域の里山は環境関係の学者とボランティア市民によってかろうじて維持されているようです。しかし、どんな形にすればよいのかにははっきりしたモデルがなく、意見がばらばら。
大きな目で見れば、日本の里山もヨーロッパのような遊びや癒しの場所、具体的には公園になるとおもいます。しかし、遊びの場所というと、すぐ観光、金儲けの場にしたがる、これは行政もふくめてのことです。日本人は、もう60年近く経済成長の中で物質的なゆたかさだけを追求して来ました。自動車生産数など飽和点に近いし、マネーゲームも普通の人には非現実的な出来事に感じる人は多いでしょう。世界的に見ると、まだまだ日本は恵まれた位置にあります。未曾有の経済危機に直面した今、経済優先の考えを改め、自然との共存という人間としての原点を考えるべきでしょう。
結論を得るまでにはまだまだ遠いのですが、一筋の光が見えてきたような気がしました。
(カンチョー)
写真は屋久島・白谷雲水峡にて(撮影 こぼら)
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