国立民族学博物館の広瀬浩二郎先生からご出演のテレビ番組案内をいただきました。
番組名: 福祉ネットワーク
「ホーム転落事故をどう防ぐか」
(NHK教育テレビ)
放送日時: 2月9日(水曜)20:00~20:29
(再放送は16日12:00から)
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1月16日に東京の目白駅で視覚障害男性のホームからの転落事故が発生しました。犠牲となった武井さんは僕の中学時代の後輩で、不運にも進入してきた電車と接触し死亡しました。まさに僕にとっては「他人事ではない事故」でした。
この事故がきっかけとなり、NHKが「ホーム転落事故をどう防ぐか」という番組を作りました。「欄干のない橋」とも称されるように、視覚障害者にとって駅ホームが非常に危険な場所であることを検証する番組です。
この番組に僕はコメンテーターとして出演します。昨日、東京のスタジオで収録を終えました。正直なところ、限られた時間だったので、言いたいことを十分言えなかったような気もしますが、視覚障害当事者としての率直な思いを語りました。
NHKも総力取材をし、全体としてはいい番組に仕上がっていると思います。やや優等生っぽいコメントになりますが、まずは本番組を一人でも多くの方にみていただき、視覚障害者の歩行の現実と駅ホームの危険性を知っていただきたいと心から願っております。
(広瀬浩二郎)
コメント
広瀬さんには「さわる展」でずっとお世話になっています。さわるの背後には、芸術文化的なものだけでなく、こういう問題も背負っていることがわかります。それが、直接的でなく、ジワリと浮かび上がるような展示がいつかできるといいですね。
録画して見ました。目が見えない人の半分はホームから落ちた経験がある…というのは大きな危険ですね。決定打はホームドアをつけることですが、これをやるためにはそのホームに停まる車両の長さとドア位置を全部統一せねばならず、また停車位置の精度を上げるために信号システムから変える必要がある場合もあります。ずれて停まると乗れなくなってしまうからです。一度ホームドアをつけると将来にわたって車両の長さとドア位置を固定することになり、これは大変なことなんです。阪神と近鉄が乗り入れをするようになりましたが、両社は車両の長さもドアの枚数も違うので、ドア位置は列車によって変わります。京阪は2ドアと3ドアと5ドアと3種類の車両があります。JR西日本の通勤電車も3ドアと4ドアが混合。阪急も一見統一されているようで車両によって微妙に長さが違い、1両で10センチ違うと8両では80センチ違う…ということが起きてきます。そこで番組では速くできる対策として内方線ブロックなども提起していたのでしょう。声かけも大切ですね。ところで番組中、「国立民族学博物館」が「国立民俗学博物館」になっていました。NHKなのに…
内方線っていう単語とその重要な役割をはじめて知りました。
内方線は今まで目にしていたのに何も感じていなかったand/or何も疑問に思わなかったことに気づかされ、「見れども見えず」を実感しました。