午後2時から中牧弘允館長のギャラリートークがありました。
梅雨前線が南下して抜けるような青空の一日でした。きょうは6月29日(土)、旧暦では5月21日。まさにこの天気を五月晴れと言うのです。と暦にお詳しい中牧館長のトークが始まりました。
いま“すいはく”では現在の浜屋敷になる前の「吹田村庄屋 気比(きび)家の絵画」を展示しています。
気比家から“すいはく”には古文書をはじめ古絵図、書画など約4000点の資料が寄贈されています。その中から金子雪操・墨江武禅・岡熊嶽などの絵画を紹介しています。
きょうの館長ギャラリートークでは金子雪操(せっそう)の三つの作品を重点的に説明しました。
1)玉堂富貴図(ぎょくどう ふうきず)富貴な花とされるボタン(牡丹)とモクレン(木蓮)、カイドウ(海棠)を描いたもの。
2)関帝君聖像(かんてい くんせいぞう)ヒゲを生やした武将の画。無精髭ではない。衣の下にヨロイが見える絵です。
3)蘭亭曲水図(らんてい きょくすいず)中国の故事にもとづく画題。川に盃(さかずき)が流れている間に
詩(和歌)をつくる遊び。
曲水は日本でもおこなわれています
http://www.dazaifutenmangu.or.jp/sanpai/saiten/special/kyokusui(大宰府)
http://washimo-web.jp/Trip/Kyokusui/kyokusui.htm(鹿児島)
マンガやアニメが世界的にウケているこの時代にこそ大阪画壇のユーモアと滑稽さを画く大阪の文化(大阪画壇)を見直すときだとおもう。雪操の画を梅棹さんは「中国かぶれの画だ」と言ったが、いまこそ見直してもいいのではないか。
欧米の博物館は関心を示しているのでこのままではどんどん流出していくことは目に見えている
と中牧館長は危惧されていました。
五月晴れの博物館周辺では夏を待ちかねたキリギリスが数匹鳴いていました。空には10羽を超えるツバメが忙しそうに飛んでいました。ひょっとすると先日巣立った子どもたちの飛行訓練だったのかもしれません。
(おーぼら)
コメント
ギャラリートークをダジャレ抜きで上手にまとめていただき感激です。ただ1点、梅棹先生が「中国かぶれ」といったのは金子雪操の絵についてではなく、江戸時代の「中国趣味」一般をさしていたことを付言しておきます。
閉幕日の7月7日(日)2:00から、もういちどギャラリートークをおこないます。冷やかしに来てください。お待ちしています。
ダジャレも記録してください。しゃべってないはずないので。気比家の機微にふれる、とか?
きょう(7/7)最後じゃないですか!庭の工事が早く終わったらダジャレトーク行けるけど…
ダジャレトークの時間には「ガラスの向こう側」にいました。
https://suihaku-hiroba.com/201307_article_3.html