ある退職したサラリーマンと千里ニュータウン その2

-千里ニュータウンの評価と課題-

ある経済雑誌(*1)は住民の所得の程度・住居の広さ・利便性を基準に全国28のニュータウンを評価、格付けを発表している。
千里はAクラスだから、それはそれで結構なのだが、これからの地域評価には上記の基準に加えて前述したソーシャルキャピタルの 観点が重要になってくるだろう。
新しいプロジェクト、市民活動によって新しい人のネット、新しいソーシャルキャピタルが誕生し、そのソーシャルキャピタルのあるところに新しいプロジェクトが集まる。
今や千里はこういう好循環が生み出せるまちになりつつあり、これは大いに誇れるポイントだろう。
千里を更に発展させる条件を敢えてあげるなら多様性の創造と言うことだろう。
ニュータウンは戦後の住宅不足対策として誕生したから、どうしても供給者の論理が働き、優れたま ちの必要条件である快適性、利便性は満たしていても、まちなみが一様で面白みの少ないま ちになりがちだ。
文化的な SOMETHING NEW を、生み出す条件(優れたまちの十分条件)を備えてこそ真に優れたまちと呼ばれるべきである。
その十分条件とは多様なまちなみと多様な人々が交流する場の存在である。
この条件を欠いたまちはまちからは、文化的な SOMETHING NEW は生まれようがない。
千里は一級の大学群・博物館等という知的資産に近接しているという好条件に恵まれているのだから、この十分条件を満たせば、千里ニュータウンがソーシャルキャピタルを一層充実させ、文化的な SOMETHING NEW を創り出すまちに脱皮することは十分可能である。
今回の市民参加による博物館の企画・展示は、まさに多様な人々と大学・博物館等のコラボレーションであり、吹田市立博物館は文化的 SOMETHING NEW を創り出す機会と舞台を提供したのだ。
千里ニュータウンにとって画期的且つ歴史的EVENTだと後世大いに評価されるに違いない。
一方、住まいの面から千里の多様化の可能性を研究しようとする「千里・住まいの学校」(*2)という取り組みも始まっている。
千里は再びニュータウンとしてよみがえる。

(*1)週刊ダイアモンド050326
(*2)千里住まいの学校

加福共之 tokafuku@leto.eonet.ne.jp

(以上は雑誌「地域開発」05年6月号に寄稿したものに一部加筆、編集したものです。)

コメント

タイトルとURLをコピーしました