特別対談 在大阪総領事の羅田廣氏と阪口市長

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博物館講座室で羅 田廣氏と阪口市長の対談がありました。
司会は市民委員会委員長・谷川一二氏

中華人民共和国在大阪総領事・羅 田廣氏
吹田市長・阪口善雄氏
市民委員会委員長・谷川一二氏
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委)総領事は博物館に来るのに迷いに迷ったとのことです。このことについて市長は?
市)吹田市民ですら市立博物館の場所がわからないということは、よく耳にします。日本の何倍もある中国の総領事閣下ですので、道がわかりにくかったことはよく理解できます。ようこそ、おいでいただきました。

総)今の中国は37年前の日本と同じ状況、まさに発展の真っただ中にあります。中国の人口は13億3千万人です。民族は56あります。92%が漢民族で55の少数民族がいます。29年前から改革開放路線をとって、年平均9.1%の経済成長率を保ってきました。
当時の吹田市のように発展のさなかにあって来年に北京オリンピックを迎え、2010年に上海万博を迎えるのです。中国国民にとっても、世界にとっても最大のイベントなのです。私たちはとても楽しみにしています。
委)大阪万博当時、市長は?
市)私は大学4年で若かったですが、日本も青春時代だったと思います。都市と農村の人口比率が逆転したのが1960年(昭和35年)でした。弥生時代以来2000年間続いた農村社会が都市社会になる転換期だったのです。そのころから千里ニュータウンが開発され、東京オリンピック(64年)が開かれ、70年の万博と日本が大きく飛躍発展する時代でした。吹田の発展の歴史を学ぶと、日本の発展の歴史がわかるような、そのような吹田であり、大阪であったと思っています。

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委)展示をご覧になった感想をお聞かせください。
総)市民のみなさんが37年前の万博を共有し、その精神を発揮した手づくりの展示を見て、私はその熱気を感じました。手づくりのよさ、魅力がアピールされていて素晴らしいと思いました。我われも学ぶところがたくさんありました。
委)そのお言葉は市民委員にとって大変ありがたいお言葉です。(拍手)
中国では北京オリンピックで盛り上がっていますが、上海万博の気運はいかがですか?
総)万博の準備は着々と進んでいます。世界から注目され、中国ではじめての万博です。しかも過去の万博は先進国での開催でしたが発展途上国では最初の万博です。したがって中国では中央から地方の各民族までこの万博の開催に力を入れています。
13億人の万博であり、61億の世界の万博なのです。過去開催された各国の万博の経験を学びながら上海万博に生かしていこうと思っています。特に吹田市で開催された万博の「人類の進歩と調和」というテーマは素晴らしい。この理念を引き継がないともったいないと思います。

委)上海万博では「ベターシティー、ベターライフ」がテーマなのですね。
総) 「より良い都市、より良い生活」という意味です。
委)大阪万博のテーマ「人類の進歩と調和」について
総)太陽の塔は「人類の進歩と調和」のシンボルとして重要と思います。さらに37年前のその(人類の進歩と調和という)理念は現在も世界に広がりつつあります。というのも、平和・調和・発展を求めるのは現在、世界の流れです。調和してこそ世界は平和になるのです。中国・日本間でも調和した関係をを求める必要があるし世界各国も互いに調和の取れた関係を構築すれば世界は平和になります。その意味で「人類の進歩と調和」は人類の永遠の精神として引き継いでいかなければならないと思います。

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委)吹田市には留学生が多い。しかも阪大生が多く、勉強家が多い。総領事は市民交流に関心が深いと伺いますが、いかがですか。
総)吹田市の市役所そして市民のみなさんが在吹田市の中国留学生に対するご関心とご協力、ご便宜をいただいてますことに中国政府を代表して熱くお礼申し上げます。(拍手)
若い人がここ吹田で安心して勉強して、中日(中国・日本)の市民どうしの交流ができる、このような市民レベルの交流ができると世界はまさに「調和」という関係ができるのです。
私もかつては1年間留学しました。紅葉のきれいな時、渓流で日本人の家族に「芋煮会」をしてもらいました。このことは今でも懐かしく思い出します。地元の皆さまといろんな行事をすることは彼らにとって最高のプレゼントだと思います。

委)吹田市には留学生が非常に多い。吹田市の対応を総領事にお話してください。
市)南千里庁舎に国際交流センターがあり各国語の教室を設けています。すいた祭り、産業フェア、さらに旭街商店街・サンクス商店街が独自に開くアジアンフェアでも模擬店など開いてもらってます。ある公民館では日本に来られたお子さんに日本語教室を開いていただいてます。
このようにして留学生が「大阪・吹田に来てよかった」「市民のあたたかさが忘れられない」と感じていただけるようなもてなしをしていきたい。今後南千里の新しい庁舎に国際交流センターを移して“留学生のクラブハウス”のようにして情報や交流面を発展させたいです。
総)吹田市には中国からの留学生が多いので、彼らの便宜を図るために24~5年前から中国在大阪総領事館は吹田市に別館を置いてます。吹田市からのご配慮をいただいています。

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委)上海万博に繋ぐには日本人は何をすべきでしょうか。6400万人が集まったが上海は7000万人を呼ぼうとしている。
市)日本での6千万人なら中国では1億人は超えるだろう。あのときも熱気がありましたが今の上海はそれに負けない熱気があります。オリンピックは首都東京で開かれ万博が商都大阪で開かれたように、中国でもオリンピックは首都の北京で、万博は商業金融の中心地上海で開かれるという関係があります。大阪府と上海市が友好都市関係を結んでいるので吹田市は上海市の哺東(ほとう)新区と万博開催都市交流ができたらいいと思います。
上海万博開幕のときには吹田市から大挙して押しかけたいと思っています。そのために市民レベルからの交流をしながら3年後を待ちたいです。羅田廣総領事にもご協力を賜わりたく思います。

総)万博開催は国際交流のイベントです。万博を成功させた経験とノウハウを上海万博に生かせたら嬉しいと思います。市民間の交流も大事だし、万博を通じての吹田市と上海市との交流は喜ばれると思います。大阪府と上海市は友好姉妹都市で、毎年文化、スポーツ交流が行われています。最近は上海万博準備委員会の方々が大阪万博に視察に来ました。特に万博後に施設の利用方法などを注目しています。私は吹田市と上海市との市民交流の橋渡し役をやらせていただきたく思っています。(拍手)
「人類の進歩と調和」という精神は永遠に輝いていくと思います。さらに日本で最初の万博だったということは重要な財産です。これを生かして上海、世界との交流をしていただき、そうして調和の関係を作っていただきたいです。

末永く仲良く付き合っていくことが大事です。それが37年前の万博の精神なのです。

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市)吹田では万博開催中、会場は照り返しの強い暑い会場でした。37年たった会場は森になりました。万博記念機構や民族学博物館には当時の資料が詰まってます。万博にちなんだ宝ものや、公園として跡地が残っていることは宝です。この宝を生かさないといけない。これを生かす方法の一つとして上海との交流を通じ、人類の進歩と調和を世界に発信し、「より良い都市よりよい生活」を踏まえながら友好交流が図れるようにしたいと思っています。

総)私は1979年に大阪に来て豊中市に住んでいて日曜日には吹田市の千里ニュータウンに遊びに来てました。当時は大阪の中で最も魅力のある場所でした。最近の千里ニュータウンは大きく発展して、当時とちがって道がわからないくらいになっていました。ここに日本の高度経済発展の姿を見ました。
大阪万博はアジアで最初の万博でした。当然日本人の誇りでしょうが中国はじめ世界の人々の誇りです。これは私たちと共通の財産です。
私は日本に来た最初の場所が大阪で、もうすぐ定年ですので、最後の職場が大阪になります。しかしこれで終わりではなく、万博の精神は永遠に私の心の中で生きています。

委)上海万博は7千万人といわずもっと高い目標を目指してください。
総)吹田市からひとりでも多くの方が来られることを期待しています。(笑)

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Q:留学生です。経験を生かして日本と中国とのかけはしになりたいと思っています。卒業してどのようにしたら大使館や領事館に就職できますか。
総)まず勉強してください。しかし学問だけではだめです。日本の方々の仕事に対する真面目さをしっかりと覚えてください。その真面目さと仕事に対する愛を勉強しないと、ただの学問だけではダメです、効果がありません。その上で就職の相談ならいつでも総領事館に相談してください。中国国内での就職の相談にも乗ります。

Q:吹田市民です。上海にはリニアモーターカーがありますが、空港から上海万博会場までは開通するのでしょうか?
総) (リニアモーターカーを作った)ドイツとの相談が必要です。中国側は会場まで開通させたく思っています。

(おーぼら) (岡村 きょうちゃん)

■上海万博の詳しい情報はこちら(日本語です!)。開幕日は2010年5月1日。
■中国大阪総領事館のHPはこちら(日本語です!)。

(by okkun)

コメント

  1. おーぼら より:

    てつ「ほんとうに 毎回 詳細レポートありがとうございます」 ・・・おおきに でもね、ホントはね、イベントや講演会の場合、事前に台本が配られていて、出演者は台本通り喋ってくれるので、ブログには原稿を貼り付けるだけなのですよ~。簡単ですよ~・・・ ・・・ってな具合だといいんだけどね。 そうなると 出演者は数日前から台本読み合わせで、そりゃもータイヘン!!でしょうね。

  2. てつ より:

    ほんとうに 毎回 詳細レポートありがとうございます そこに居なくてもすべてがわかる気がします(私は聞きに行きましたが^_^;)
    今日の読売新聞 朝刊にも 記事をみつけました いい天気やし ラストデー 飲食も出来るし 入館料 特別に無料にしてくれるみたいやし みなさん でかけましょう(^^ゞ
    中国領事館は 以前 家のすぐ近くにあり 一番近い外国だったと思います 上新田だから 千里ニュータウンではないんだけど ほぼニュータウンの真ん中にあったんですもんね~ 上海に 「吹田館」も 作ってもらいましょうかね?^_^;

  3. きょうちゃん より:

    おおぼらさん、ありがとうございます。 館長も、風邪気味の声で・・・。 谷川委員長、すばらしい。 市長・・次は・・・。 吹田は、「好いた」でせ。
    愛犬、龍馬は・・。
    明日は、最終日。 ゲルの夜はふけてと言いたいが。
    餅つきの、自分の姿に」、おののく、きょうちゃんです。
    爆睡したい。

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