タケックス・ラボ社長の清岡久幸(くみ)社長におこしいただき、「タケックス・ラボ 竹資源有効利活用事業」という講演をしていただきました。
会場には、実際に竹林管理のボランティアをしている市民が多数集まり、熱心に聞き入りました。質問も相次ぎ、さすが吹田、タケに対する関心の高さがうかがわれました。(こぼら)
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私たしたちが考える竹の利用は大きなところでは建築現場の足場、そうめん流し、竹の塀・・・小さくなって竹とんぼ、耳掻き、ツマヨウジなどの細工ものが大半で、化学的な利用では竹炭や竹酢液といったところです。そうそう、食用としてタケノコも利用しています。
しかし、本日の講演は違いました。目からウロコ。
講演内容を少し詳しく書いてみます。
【1】抽出物質
竹(モウソウチク)から抽出される物質には①抗菌効果(菌の増殖をおさえる効果)②抗酸化効果(酸化を防ぐ効果)③消臭効果(においの元を分離する効果)などがある。
抗菌効果では大腸菌O-157、レジオネラ菌、サルモネラ菌、MRSAなど病原菌・食中毒菌、腐敗菌・ウイルスなど広範囲に効果がある。しかも効果の持続時間が長く、100℃を超える高温でも化学的に安定している。
そこで竹の抽出物質で食品添加物製剤の開発、医薬部外品の研究開発がおこなわれ商品も出ている。
【2】パーティクルボード(Particle board パーチと略)
(パーティクルボードとは木材・竹材の小片(ウッドチップ)を熱と圧力で板状に成型したもの)
竹のパーチは木質パーチに比べ熱容量および比熱値は高く、断熱性に優れているのでので乗用車や家屋の壁材として使われている。さらに竹パーチは抗菌力があるので細菌やウイルスから人を守る健康建材なのだ。
【3】バイオマスタウン事業
(バイオマスとは動植物から生まれた再生可能な有機性資源のことで、家畜排泄物、生ごみ、住宅廃材、農業残渣などを活用するもの。)
農水省は平成14年12月「バイオマス・ニッポン総合戦略」を策定。国家プロジェクトとして取り組みが始まった。
その中で「バイオマスタウン構想」を公募したが、提案の大半はバイオマス=廃棄系有機性資源からバイオ燃料を作るなどのエネルギー化事業だった。しかし事業の採算性の低さが顕在化してきた。
それに対し、「竹資源有効活用事業」は「竹を有効なバイオマス資源ととらえ、竹をマテリアル(素材)事業とエネルギー事業として総合活用することで事業の採算性が高くなった。
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タケックス・ラボの清岡久幸(くみ)社長は父が竹細工の職人で幼いころから竹に囲まれて育ちました。高校2年の時、大病をわずらい二年あまりの入院を余儀なくされました。その入院中に小児科病棟で子どもを亡くした母親の姿を見て、生き残った自分を考えたとき、「生きることが許された。かけがえのない時間を価値あるものにしたい」と将来の夢を決意。昭和58年から竹の研究を始め、もう24年になります。
竹を研究して世界の健康を実現するため平成14年、タケックス・ラボを立ち上げ、竹を通して世界に通じる研究開発型の国際企業を作ってきました。
清岡久幸(くみ)さんは昨年度の日経ウーマンオブザイヤーに選ばれています。
このような会社=タケックス・ラボが吹田市(垂水町)にあるなんて、全く知らなかったことに自分自身驚き、また感動しました。(おーぼら)
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