…というタイトルを考えついたのは、ちょうどカンチョーの労作「梅棹忠夫に挑む」を手にしたときに、NHK「知るを楽しむ 人生の歩き方」で、アンパンマンの作者やなせたかしさんの回の再放送をしていたからです。
梅棹さん、1920年生まれの88歳。やなせさん、1919年生まれの89歳。この共通項に気がついたのは、先月なくなったウチの父が梅棹さんと同じ年の生まれで、なにかと親しみを感じていたようだったからなのですが…やなせさんも現役で大活躍でスゴイなあ~と思っていたら、1歳違いだったのでした。
さらに調べてみると、「みんぱく」の立ち上げとアンパンマンのスタートはどちらも1970年代で、そうか、みんぱくはアンパンマンだったのか!音もなんとなく似てるし…「んぱ」のあたりが…。
おふたりとも長~いキャリアの中で50代から新たな事業に取り組まれ、それがまた30年かけてリッパに発展しているというのは素晴らしい話だと思います。(アンパンマンが人気になったのはやなせさんが60代になってからで、これはもちろん漫画家としては超遅咲き…今ではアンパンマンの仲間のキャラクターは2000を超えるそうです!)
アンパンマンは決して格好いい正義を振り回さない…この設定はやなせさんが20代で終戦を迎えた世代体験と深く関わっているそうです。日本兵となったやなせさんは正義の戦いだと信じて大陸へ行ったのに、終わってみると罪人扱いで送還され、正義なんていい加減なものだと。
一方、梅棹さんは京大の研究生として満州やモンゴルへ探検調査を繰り返していましたが、この経験をのちに「文明の生態史観」にまとめられます。
1920年生まれは終戦の時に25歳で、凡人であれば激しい価値観の転換に苦しんだ世代でもありますが、アンパンマンの世界と梅棹さんの世界観に共通するのは、なにかを上におくのではなく、フラットに多様性を観察する態度ではないでしょうか。
その豊かな多様性の世界が、1970年代後半、ようやく大衆的に理解される時代を得て開花したのがみんぱくでありアンパンマンであったような気がします。
いま世界は多様性を許容する方向に動いているのか?…おふたりの末長い活躍をお祈りして、熱を出しながら書いているこの論考を終わります。
※やなせさんの放送内容はテキストで詳しく読めます。
(by okkun)
コメント
私もやなせたかしさんの放送ちらりと見ました。梅棹さんやみんぱくとアンパンマンが共通項とは…!