こうなりゃネタにしてやる~!(イカロスになれなかった男)

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朝から新幹線車中に軟禁されること14時間…トカラどころか鹿児島どころか博多どころか徳山で引き返してきてやっと帰宅した特派員1号です。

実は家を出る間際に、新幹線が止まっているニュースは聞いていたのです。千里中央までのタクシーを北大阪急行の乗り場ではなくモノレールのほうに回してもらって、伊丹から福岡まで飛んだほうがいいのでは…?という考えがチラとはよぎりました。しかし不通になったのは6時半。列車が山口県を通るのは9時台。3時間もあればなんとかなるのでは…?それに伊丹に回っても飛ぶかどうか、空席があるかどうかは保証はない…(鹿児島行きが満席なのは前夜確認済み)。集合は14時ですが出航は17時で、ちゃんと着けば鹿児島中央に13時の予定を組んでいたから、3時間程度までなら遅れても何とかなります。

で、とにかく新大阪に行って、予約していた「のぞみ97号」より一本早い「ひかりレールスター547号」に乗っちゃいました!(「レールスター」はJR西日本の看板列車だから「のぞみ」に抜かれることはありません。)

しかし、甘かった。最初は快調に走っていたものの、西明石あたりからまるで日食のように空が暗くなり、やがて…新倉敷でストップ。福山でストップ。新尾道でストップ。東広島でストップ。篠突くような豪雨ではなかったものの、どんどんノロノロ運転化。広島駅ではとなりの「上り」ホームに後続の「のぞみ97号」が入線。どうやら向こうは運転打ち切りになったようで、乗客は全員下ろされて、こっちのレールスターに移ってきます。「おお?ということはこの列車が最優先列車?」つかのま鉄的喜びにわき、いったんは不通区間開通!の朗報もあって広島より西まで進んだのですが…また不通に。新岩国でストップ。とうとう徳山でウンともスンとも動かない状態に…。

この間こっちは「あ~博多の乗継に間に合わない…」「あ~集合に間に合わない…」「あ~出航の時間に…」とどんどん事態が悪化し、旅行会社に電話したりするものの、事態じたいはなんともできず。こんなときはナススベないのですから本でも読んでるべきなんですが、活字も目に入らない。

周囲は他の列車から集められた乗客も加わって通路まで立席。最初はじっと我慢していた乗客も、軟禁が長引くと通路に座り込み始め、(デッキに行けないこともあり)座席でケータイ電話を堂々と始め…だんだん振舞が非日常モードになっていきます。なぜかポーランド人の団体と、地元の女子高生らしい団体がキャッキャと騒いでいて、まずいことにこの2つのグループがカタコトで交流を始めてしまい、「♪森へ~行きましょう~娘さん~ホッホッホー」のたぶんポーランド語版とか歌いだして「うわ~そんな気分じゃないのに助けて~」と叫びたくなりましたが、気がついたら徳山で4時間も停まっているうちに騒ぎ疲れて静かに…

そして決定的な車内アナウンス…「この先、線路の安全点検をしておりましたが、木が線路に倒れかかっていることがわかりました。」…これにはさすがに女子高生も一斉に「エ~~?」と叫び声をあげ、続いて「広島まで引き返されるお客様…反対側の上りホームに停まっております『のぞみ』にお乗換えください…」というアナウンスに、さすがの私も「これはもうこの先、行けないよってことだな…」とフンギリがつきました。

結局「ひかりレールスター547号」は徳山駅で運転打ち切りとなり、迷う余地もなく、やっぱりきょうは徳山より西には行けない事態に。車掌のアナウンスは懇切で、「他の交通手段ですが、在来線も止まっております。市営バスも運転手が足りない状態とのことです」と、そんなことまで言ってました。

まさに「後ろ髪を引かれる」状態で乗り換えた上り列車は「のぞみ2号」広島行き。この時点ですでに17時台でしたが、こんな若い番号の列車が夕方にこんな西にいるはずがないし、広島止まりのはずもない(帰ってから時刻表で調べたら、なんと博多を朝6時に出た始発の東京行きでした)。この列車が不通区間を東に離れる最後の列車だということで、始発電車が最終電車になってしまったわけです。

博多から11時間かけて来た組と、あきらめて引き返し組。どっちもへろへろの乗客を乗せて広島駅にすべりこんだ「のぞみ2号」。ここから東は、ダイヤを切り離して通常運転しているとのことでしたが、ホームの上では立ったまま右手にケータイ、左手に食べかけの弁当を持っている人、パパが一人でベビーカーの赤ちゃんと旅行中で、トイレにも行けず困っている人…もうさまざまな人間絵図が展開されておりました。(パパがあんまり「おしっこもれそう!」だったので、ちょっと赤ちゃん見ていてあげました。)広島で乗り継いだ「のぞみ58号」は東京行きの最終電車。新大阪にたどりついたら…21時半でした。あ~あ、なにやってんだろオレ。

ちなみに旅行社と電話で話したところでは、「ツアーの集合時間に行けない」人は、今回相当数出たようです。集合場所まで行けないのは自己責任とは言え天候は不可抗力でもあり、ちょっとでも返ってきたら…とは思うのですが…全部手配しちゃってるあとだから、どうかなー?

●1988年3月18日、小笠原近海で20世紀最後の皆既日食があったのですが、このときも僕はツアーを申し込んでいて、何かの理由(天候ではない)で行けなかったのです…(痛い思い出を思い出してきました…)このときは後輩の結婚式と重なっていて、一度は「義理より日食!」と欠席届を出したのに、けっきょくツアーに行けず後輩の結婚式に「やっぱり出席します…」と、すごくキマリ悪い思いをしながら行ったので憶えています…21年たっても同じことをやろうとして似たような事態になっていることがクヤシー!というか、なさけないと言うか…僕が生きてる間に、つぎに見られる皆既日食があるとしたら、いつどこでなのでしょう…?

●ところできのう一日雨の車窓を見ていて、はっきりとマダケとモウソウチクの違いがわかりました!広島近辺、マダケの竹林がたくさんあるのですが、すっきり、スマート。頭が軽い。葉先が、まっすぐ。これに対してモウソウチクは、もっさりしている。ダサイ。頭が重い。しなっている。ブログの写真ではどうしてもわかりませんでしたが、実物見たら、ああこれは違うなと。うう~ん、これがきょうの新幹線乗車14時間の収穫?やっぱり皆既日蝕が見たい…僕は天文ファンでもなんでもなく、ただの好奇心でツアー申し込んだのですが、何度も成就しない思いを抱えていると、「好奇心」が「執念」になってしまいそうです。ああ人生老い易し…太陽から見たらちっぽけな話ですが。

(by okkun)

コメント

  1. てつ より:

    それは それは 大変でしたね(;。;)
    とても疲れておられるのに 特派員の維持
    もちろん 今日はお休みでしょうから
    怒りをぶつけに すいはくにいらしてください(^_^;

  2. アルミ より:

    角栄、義経、ハムレット・・・悲劇の主人公には心うたれますネー。

  3. okkun より:

    ピンホール観察もできなさそうだし、ビスケットをヤケ食いしたい気分ですが…まあとにかく博物館行きます。(会社もきょうは休み!カッコ悪くて行けないよ~)皆さんにネタにしていただければ多少はモトが取れるかと…という私は関西人。

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