どこかで見たような・・・

地球研のワークショップで、途中、夢の中をさまよっていたカンチョー、ふと目をさましたら画面に写るのは「千里ニュータウン?!」

画像

いえいえ、じつはこの画像は、韓国はソウルちかくのニュータウンを撮ったものだそうです。開発がはじまったのが80年代以降。90年代にやっと人びとが集合住宅居住へ向かいはじめ、都市居住者の半数を占めるようになったばかりで、まだ伸び盛り。昨年の統計ではじめて、募集した団地にあきがでたそうですが、それでもまだ、千里NTのような悩み(高齢化問題など)は始まっていないとか。
この発表をされたソウル大のP先生に、カンチョーが千里ニュータウンのことを話したら、「それはおもしろいですね、今度ぜひ訪ねてみたいです」と言っておられたそうです。(撮影カンチョー、カンチョーからこぼら聞き書き)

コメント

  1. okkun より:

    経済成長→産業構造の転換→都市への人口流入→ニュータウンの建設…という図式は多くの国であって、いまアジアの多くの都市ではニュータウンがぞくぞくと造られているようです。
    http://senri-g1964.at.webry.info/200903/article_26.html
    韓国は日本以上にソウル首都圏への人口集中が激しいようですね。

    千里ニュータウンはこんな碁盤の目の街区構成じゃないけど、広い道路、整然とした町並みは、どんな国でもたしかに「ニュータウン的」と言える異空間をかたちづくっています。世界中のニュータウン住民がいつか話し合えたら、それはとても面白いだろうと思います。

  2. Jin Pilsu より:

    小山先生、ありがとうございました。
    この写真で発表を行った陳泌秀(Jin Pilsu)です。
    韓国では1970年代後半から、ソウル市内からアパート団地の建設が本格化されました。また、1990年代にはソウルの近くに五つの新都市(ニュータウン)が建設されましたが、その中の一つが上の写真に見られるBundang(ぶんだん)という新都市です。他の写真もあるし、いろいろ話し合いこともありますが、とりあえずこのブログを調べながら吹田市のニュータウンについて勉強してみます。

  3. こぼら より:

    Jin Pilsu先生、適切なご説明とコメントをいただき、ありがとうございました!カンチョーから口頭で聞いただけだったので、場所や年代が少々混乱しておりました。
    ぜひ一度、千里ニュータウンにおこしください。

  4. okkun より:

    千里ニュータウン育ちで、小山先生に火をつけられ?日本のニュータウンを訪ね歩いているokkunです。日本では1960年代の高度経済成長期以降、千里を筆頭に大規模なものだけで39のニュータウンが全国で建設されたと言われています。「URL」をクリックしていただくと、日本のさまざまなニュータウンがご覧になれます。日本のニュータウンをひととおり見たら、つぎは海外のニュータウンも訪問してみたいと考えています。韓国のBundangの人々の暮らしやプロフィールには、千里と共通の部分もあるのか、どんなところが違うのか、とても興味があります。

  5. Jin Pilsu より:

    こぼらさん、okkunさん
    次の機会があるとき、千里ニュータウンをぜひ歩いてみたいと思っております。よろしくお願いいたします。okkunさんのブログの資料はすばらしいですね。ゆっくりと写真を見てみます。いつか韓国でもお会いしましょう。Bundangには知り合いがいないですが、Gwachonという新都市を研究する後輩がいるし、私もJukjeonというところで事例研究をしております。

  6. okkun より:

    Jinさん、ブログを見ていただいてありがとうございます。ご専門は社会学ですか?ぜひ千里ニュータウンにもお越しください。韓国はソウル五輪の次の年に行きました。当時も発展めざましい勢いがありましたが、今はもっと変わったでしょうね。日本のニュータウンは経済成長期に一度に造って同じ世代の若い家族ばかりが入り、その後入れ替わらなかったためそのまま持ち上がって子世代が出て行き、今や一挙に高齢化が進みつつあります。レンジでチンしたように造った町は、冷めるのも速いのかも?オールドタウンなんて言われてますが、住民としては言われっぱなしというわけにも行きません。人工の住宅都市はどこでもそういう極端な変化の因子があるのではないか?もしそうだとしたら、千里の経験は韓国でも参考にしていただけるのではないかと考えています。

  7. Jin Pilsu より:

    okkunさん
    返事が遅れました。私は文化人類学が専門でございます。今はソウル大学比較文化研究所の研究員として勤めております。最近のアパート団地研究で韓国の新都市を日本のニュータウンに比較したら、面白い理論化ができると思っております。博士論文は沖縄の米軍基地に関するもので今も主には沖縄文化研究で頑張っております。結局土地と人間文化の問題についていろいろ研究していることになりますが、各都市のニュータウン問題をもっと勉強したいです。
    韓国の新都市はまだ過疎化が進んでいないですが、いつか必ず直面するはずでしょう。しかしながら、その問題の展開と解決のやりかたは違ってくるかもしれないですね。韓国の新都市の変化が資本主義の論理にもっと深くかかわると思っております。また、地域の住民組織や老人世代の元気と権力、いわゆる文化的要因も各地域によって違ってくると思います。
    まだ勉強中ですので、次お会いしたときいろいろ勉強させていただきます。

  8. okkun より:

    Jinさん、丁寧なご返事ありがとうございます。私は日本の大規模ニュータウン39個をひととおり訪ねてみようと、いま35個まで行ってみましたが、日本の中でもいろいろです!建設年代、開発の速度、母都市からの距離、住宅種別の配合、土地柄などの変数によって、そのニュータウンのキャラクターは規定されます。「過疎」という定義(→URL)には当てはまらないと思いますが、「人口減少」には多くのニュータウンが直面しているようです。しかし首都圏を中心にまだ人口が増えているニュータウンも少なくはありません。ただ、ほぼ全てと言っていいニュータウンが計画人口に到達せず、施設の余剰→高コスト体質になっていることは今後問題を深めるでしょう。小泉内閣当時の規制緩和によって「都心回帰」と言われる現象も出てきており、遠い郊外のニュータウンは維持がしんどくなっていくでしょう。ニュータウンを考えることは、暮らし方の哲学を考えることであり、文明論にも広がることなんじゃないかと思います!

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