講演会の報告 : 「古代の吹田 -五反島遺跡の調査から-」

4月25日(日)午後2:00から講座室で、西本安秀さんの講演があり、講座室はほぼ満席でした。

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五反島遺跡は吹田市南吹田5、南吹田下水処理で発見された遺跡で、糸田川と神崎川の合流点に位置しています。本格的な調査が昭和61(1986)におこなわれました。時期は弥生時代から中世まで。主な遺構は平安時代の東西約60mにわたる堤防ですが、

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その下の層からは、弥生、古墳、飛鳥、奈良時代の遺物も発見されています。

主な出土品は常設展示場に陳列されていますが、平安時代の鏡、鉄製品、櫂や鳥形の木製斧、鎌、刀子、鏃などの鉄製品、祭祀用のミニアチュア製品が発見されています。室町時代には卒塔婆や人骨が発見され、この地が古くからムラの一部であり、川の流れに影響されて地形が変わり、さまざまな使い方をされていたことを示しています。

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とくに遺物の量が多いのは平安時代で、土器(土師、須恵)は難波宮のものに類似しており、また延暦4(785)年に淀川と三国川(神崎川)が開削されてつながり物資の輸送が活発化したことと関係があると考えられています。

(カンチョー)

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