7月24日(土)午後2時から講座室で関西野生生物研究所代表の川道美枝子さんの「かわいいだけじゃない!アライグマの爪あと」という講演会がありました。
はじめに実行委員長の高畠さんの案内につづき館長、市長のあいさつがあり、みなさんはまだそれほど問題になっていないアライグマについて勉強する姿勢を示しました。
川道さんのお話は
1980年代にTVで放映されたアニメの「ラスカル」でアライグマの可愛さが評判になり、ペットとして輸入された時期がありました。その数は10年間でおよそ2万5千頭から3万頭と推定されます。アライグマはこども時代はほんとうにかわいいのですが、大人になると強暴になることが多く、もてあました飼い主が山に放して、野生化し、いまや大変な被害が出てきています。当時は有害動物を輸入しないとか、駆除する法律がなかったことがこんにちの事態をまねいている一因とのこと。
アライグマは木に登ることが得意なので調査は柱についた爪あとをみつけることです。民家の柱を調べてると警察に通報されるおそれがあるので、神社やお寺を調査しています。川道さんは全国ですでに1200の神社やお寺を調べたそうです。
アライグマの特徴/見わけ方
①サングラスをかけたように目のまわりが黒い。
②ヒゲが白い。(タヌキはヒゲが黒い)
③しっぽは縞模様・・・最大の特徴です。
④歩くときお尻を持ち上げしっぽをたらし、からだを左右にふりながら(だらしなく)歩く。
問題点/被害
①農作物への被害「アライグマの手のひらには味覚があり、食べごろがわかるとのこと」
②建物への被害「天井裏に住みつき、そこに糞尿を蓄積していくため天井板が抜け落ちることがある。建物の被害で特に神社や寺では国宝級の建物にも被害が出ている。」
③病気の媒介「狂犬病やレプトスピラ、アライグマ回虫など人間にも感染するものを持っていることがある」
④やがてタヌキやキツネ、ムササビなど在来種の生息場所を侵食するだろう。
アライグマが多くなったわけ
①日本に天敵がいない (天敵はワニとピューマ)
②生命力が強い(1~2カ月何も食べなくても生きていける)
③雑食性でなんでも食べる
そして、吹田でも捕獲されている例があり「講座の前、午前中に山田東を探してみたが、一週間前にアライグマを目撃したと聞き、別のところではアライグマらしき爪痕を確認した。吹田はまだ住みついている状況はないのかもしれないので、今が駆除の時期である。是非吹田市行政が力を入れて駆除の体制を作ってほしい。」といったお話でした。
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きょう午前に調査した山田東にあるお寺にはくっきりとアライグマの爪のあとがありました。
この爪あとからは、まだ「アライグマが訪問した」という段階で、「住みつく」までには至ってませんという診断でした。
駆除するには、市民が、自分のまちを守るのだ、という意識で自ら調査して、ワナをしかけるのと捕獲後の処置は行政がする、というのがとても効果がありますね。下の写真はアライグマを捕獲するワナです。
吹田市環境部には昨年と今年おのおの10件の目撃情報があり、おのおの2頭を駆除したそうです。
裏話
・被害がまだあまり大きくならない時期から早く対策を取るように、と政府や地方行政に話したが被害が出たら考える、などと言われてきた。
・犬のエサを狙うアライグマもいて、犬が鼻先を噛みつかれる、ということもあったそうです。
(おーぼら)
コメント
数日前の朝、藤白台のうちの庭でイタチが死んでました。30cmぐらいあったかなあ。何年も前からときどき屋根裏に入り込んで夜中運動会をしたり、庭に穴をあけたり、すっかり居着いちゃってるようでした。近所に越してきた会社の先輩が「藤白台って、イタチいる?」と聞いてきたからずいぶん生息してるんじゃないかと思います。市の人に引き取ってもらいましたが、ふつう死ぬときは動物もひっそり目につかないところを選ぶのに、最近「庭の真ん中」とか、そういうところで死んでる例が増えているそうです。朝地震があった日だったから驚いて死んだのかなあ?アライグマはさすがに勘弁してほしい。隣の小野原の公園ではセアカゴケグモもいるそうです。タスケテ~!