ひさしぶりに新穂高ロープウェイにのった。高山から車で約1時間、新穂高温泉駅(標高1117m)から鍋平高原駅(1305m)まで3分、しらかば平駅間で2分歩いてそこから7分、標高2150mの西穂高口駅につく。運賃2800円だから1mあたり2.7円、13分で1000mを登ることができる。頂上からは北アルプスの笠ヶ岳、双六、槍、穂高(今回は見えなかったけれど)がつらなり、南に焼岳、西は飛騨の山並みの向こうに加賀の白山という大パノラマを一望することができる。地上より10℃ほど低く、空気がさわやか、これが登山の醍醐味というものだろう。感心したのは、今はこんな場所にでも身障者トイレが完備していることだった。
生来ものぐさな私は山は苦手で、香川県観音寺市の雲辺寺山をはじめ山にはロープウェイを利用することにしている。それなのに、梅棹さんが昨年『山をたのしむ』という本を作ったとき、山の話を聞く役割りが回ってきた。中学時代には京都の北山をくまなく歩いたこと、高校生になると北アルプスを主にヒマラヤをめざして登山にのめりこんだこと、肺結核をわずらい登山家となることを断念する。そのあと学問の道を歩むが、世界中どこへ行っても山をながめておもいをめぐらせていたこと。梅棹さんにとって山が人生観をつくり、学問への道を開いたことがよくわかった。しかし、話が細部に入りこむので予習が大変だった。アーカイブズから地図や文献を引っ張り出し、インターネットをつかってまるでカンニングしているようだった。
失明し、車椅子状態になっていた梅棹さんが山を語るのを聞いていて、山に連れ出したいと思うことがしばしばあった。ケーブルならば一瞬のうちに山頂にたつことができ、この爽快な風にふれたならば、景色は見えなくても、記憶が鮮やかによみがえって楽しめるのではないか、それはケーブルなら可能である、とケーブル登山家としては考えていた。しかしそこまでに体力が回復することはなく、かなわなかったのが残念である。
(カンチョー)
写真上:焼岳(撮影 カンチョー)
写真下:白馬岳からのぞむ北アルプスの山々(Wikipediaより)
コメント
カンチョー撮影による焼岳の写真に眼鏡をかけた縄文人風味の姿が写ってますね。カミコーチの縄文人ですか?
ほんとだー心霊写真?新穂高いいなあ。最近「山ガール」とかはやってるらしいですが、紫金山に来るのも「山ガール」でしょうか…?