9月18日(土)午後1時半から、小山館長と語るワークショップ「博物館と大学生」がありました。
すいはくでは毎年、学芸員資格取得をめざす大学生を受け入れて、実習を行っています。実習では、館蔵品をもとに展示の企画をし、資料の陳列までを実際に大学生自身が行います。今年はじめて、その展示を9月5日から月末まで一般に公開し、その間、学生による展示解説やワークショップを実施しています。今日の館長と語るワークショップもその一環として開催されました。吹田ケーブルテレビが取材に来ていました。
□あらあらの内容□
最初に館長「今、博物館に人が入っていない。とくに若い世代が来ない。すいはくの夏の特別展でも、他の年齢層は入っているのに、20才代はガクンと落ちる。博物館側の問題として、若者をひきつける魅力に欠けているのではないか。どういう展示をすれば若者が興味を持ち来てくれるのか、知恵を借りたい。」
つづいて、3部門それぞれの実習をやった感想、およびそれに対するコメント、その他自由に発言。
民俗(家電の進化と家庭の変化)では「インターネットで調べたりしたが、観客の方がよく知っていて、驚いたり戸惑ったりした。」
考古(クロード君の一生)「考古遺物は地味で、色が少ないので、置き台をカラフルにするなど苦労した。」これに対して、博物館学を担当しておられる京都産業大学の鈴木久男先生(専門は考古学)が、「考古遺物が地味だと思ったことがなかったので、それを聞いてショックだった(笑)。勉強になりました。」というコメント。
歴史(絵図)「現代のどの場所かという対応があればよかったという指摘があった。」たくさん絵図があるので、おもしろい切り口が見つかれば、よい展覧会ができそう。。。
民博の五月女さん「ティーンエイジャーから結婚前ぐらいまでの世代は、世界的にみても、博物館に行かない年代。これは、どこの国でも―ヨーロッパでもアジアでもアフリカでも―ほとんど同じ傾向。ホンモノのよさがわかるようになる年令というのがあるのかもしれない。幼い子どもを持つ親のミュージアム・リテラシー(博物館を利用する能力、でいいのかな・・・)を向上させていくと、その子どもたちは、博物館をどう活用するかを身につけさせることができる。するとティーンになっても利用が落ち込むことはないのではないか。」「大英博物館で日本のマンガが取り上げられ、若者にも人気を博した。日本のマンガは、博物館が収蔵するに値するものだという評価を受けている。50年後の歴史を考えている大英博物館だからできたのかもしれない。」
その他「展示解説は、説明の技術を上達させる必要があるのではないか。おもしろい説明だと惹きつけられる」(カンチョーすかさず、自らハイヒールりんごちゃんと講座をひらいた経験から、吉本をスカウトしなくては、とコメントに対するコメント)。「展示解説(の文章)も同じだ。」
「来館者数だけで評価するのはいかがなものか。内容がよければよい」という意見も・・・「しかし、公共にひらかれた博物館であるかぎり、その存在意義を考えると、だ~れも来ないのは問題だ。」
「すいはくにかぎらず、博物館ではガラスケースの中に展示されていることが多い。この夏遊びに行ったところでもそうだった。このガラスがじゃまだと思った。なぜ、ガラスの向こうにないといけないのだろうか。レプリカもガラスケースの中に入っていたりする。レプリカなのに、なぜさわってはいけないのか、理解に苦しむ。」(カンチョー、すいはくのさわる展PR。「観音様の一部分がつるつるになってきている」「今回の展示場では体験コーナーでモノをさわることができるようになっているが、これを一歩進めて、ぬいものの変化(手縫いからミシンへ)を体験したり、電話のダイヤルを回して、実際につないで話してみたりできるといい」。)
「博物館は専門性の高い内容が多くて、敷居が高くて、入りにくい。また、今日の展示はまだ、見ていない。入館料が必要だったから。」他にも見てない人が多かったので、終了後、皆で展示場に行きました。モノを前にしての対話がはずんでいました。
(遅刻して行ったので半分はカンチョーからの聞き書き、おーぼらさんのような詳細報告にはならずお許しを こぼら)
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