MIOJ  (Made in Occupied Japan)

画像カリフォルニアから帰ってきました。時差ボケでふらふら。
わたしは1971年か ら76年までUCデイビス校に留学していたのですが、車で1時間半ほどのサンフランシスコに行くのが楽しみでした。デイビスの町は大学だけの 小さな町でまわりは畑と牧場ばっかり、金はなくてもシチー・ボーイの私には耐えられなかったのね。あの頃、日本は売り出し中、旧日本人街のち かくにジャパンセンターをつくって、高級日本レストランや、ギャラリーでの文化展示もしていました。しかし、周辺には、まだ古いお土産物屋や骨董屋などがのこっていて、なかに入ると白い陶器がおいてあり、底にmade in occupied Japanと書いてあったのをみて驚きました。これは、経済的にのしあがってきて、天狗になりつつある日本に対するアメリカ人の皮肉じゃないかと、えらく 癪にさわった覚えがあります。

ところが、Made in Occupied Japanとは、第2次 世界大戦後、GHQ(連合国軍最高司令部)の統制下で、輸出向け製品に表示することが義務付けられていました。つまり占領下にあって独立して いなかった日本でつくられたもので、輸出貿易が再開された1947年 頃から、主権回復を果たす1952年までの約5年間にかぎってつくられていた製品でした。陶器のほかに 人形や玩具もあり、コレクターの間では「Occupied Japanもの」「MIOJもの」などと呼ばれています。日本ではあまり知られていないけれども(やっぱりひっかかるよねー)、北米ではいまでも人気があるそうです。ただ し、品質はあまりよくないので、あまり値段は高くないようです。

今回も時間がなくてジャパンセンターはそばを車で通り過ぎただけですが、そんな記憶が突然よみがえってきました。

(カンチョー、写真提供:五島淑子山口大学教授)

コメント

タイトルとURLをコピーしました