すいはくは、ついに10/26の月見の宴の日に、初めての夜間開館に踏み切りましたが、最近各地の博物館・美術館で開館時間延長がおこなわれています。奈良国立博物館でも、正倉院展の期間中、通常は午前9時30分から午後5時までのところ、平日は午前9時~午後6時まで、土・日・祝日は午前9時~午後7時まで開館しています。混雑をさばくための時間延長かと思ったら、なぜか閉館90分前からは、割引で入場できる「オータムレイト」料金というのが設定されているのです。夕方はそんなにすいているの?!ということで、様子をみてきました。
平日の閉館90分前は午後4時半。4時20分すぎ、奈良国立博物館前に到着。おお、いつも人がいっぱい並んでいる入口前がガラガラ、しめしめ。。。
当日券売り場で「オータムレイト」チケット(大人¥700)を買います。当日普通券より300円安いうえに、散華型のしおりまでおまけにもらっちゃったぞ。しかし、調子がよかったのはここまで。「オータムレイト券の方は、こちらにならんでくださ~い」という声がするので、そちらを見たら・・・うわっ、こんなところに行列が。
きっかり4時半まで待って(数分だったけれど)、ぞろぞろと入館。
昼間は、このあたりに並ぶのですよね。目新しいのは、天井からつり下げられた液晶モニター。正倉院の紹介ビデオが繰り返しながされて、入館を待つ間予習?ができるようになっていました。(比較→4年前の写真)
この先は、例によって、例のごとく、撮影禁止。なので内部の写真はありません。今年の目玉は、螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんのごげんびわ)。歴史の教科書にも掲載されている正倉院を代表する逸品です。
中に入っても、この琵琶の前まで、また15分だか20分だか並ばないといけない。まだ先があるので、遠くからちらっとながめるだけで通り過ぎました(忍耐力がなくてすみません)。復元した音を流していたけれど、それも人混みでよく聞こえない。残念。しかし、割引料金を設定してまでも、びっしり人を集めようとする努力に、感心することしきりです。
他には、蘇芳地彩絵箱(すおうじさいえのはこ;高級材にみえるように塗りが工夫されている箱。柄がとっても乙女チック)や繍線鞋(ぬいのせんがい;布のはきもの)、薬類-五色龍歯(ごしきりゅうし;ナウマン象の臼歯だそうです)や大黄(だいおう)、道具類(やりがんな、たがねなど。取っ手の木が味わい深い。縄文時代と変わらないような斧柄もあった)、そして文書類。道鏡の自筆という経典目録の貸し出し依頼書の、「道鏡」という署名が妙に心に残りました。これも教科書でおなじみの名前だからか。おそるべし教科書。
最後まで見学しおわった時、まだ閉館までに5分ほどありました。閉館間際なので人が減ってスイスイ歩けるようになっている・・・もしかして・・・と思い立ち順路を逆行して最初の琵琶のところまで戻ってみることにしました。
やった!あの琵琶のまわりにいるのは、10余人。閉館のチャイムが鳴るまで近くでじっくり見ることができました。再現音のテープもよく聞こえたし、満足、満足。人混みがかもしだす迫力?もありますが、やっぱりこれくらいの人数が快適ですね。
午後6時すぎ、外はもうすっかり暗くなっていたので、家路をいそぎました。
(こぼら)
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