千両箱: 春季特別展「大庄屋 中西家名品展(その9)」&中西家特別公開のお知らせ

中西家の春の特別公開が4/4(水)から4/12(木)までおこなわれます。(くわしくは、すいはく公式HPをごらんください。)

淀藩の大庄屋をつとめた岸部の名家の格式を示すように、主屋、長屋門、勘定部屋、土蔵などは国の登録文化財になっています。また、特徴ある設計の庭も見事でサクラの花がもう少しで見頃を迎えます。2007年には小松左京さんもいらっしゃって市民たちと花見の宴を開いたのも懐かしい思い出で、今回の写真展にも展示されています。

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画像見どころはいっぱいなのですが、その1つとして、勘定部屋を取り上げてみましょう。かつては千両箱、算盤、秤、出納簿などが保存されていた奥金庫というべき部屋でした。前に、紹介したように庄屋さんは、村財政の要役だったのです。

そこで思い出すのが現在の信用金庫や農協系銀行です。営利が目的ではなく(株式ではなく、組合組織になっている)、地方分権、地域経済を振興し人々の生活を豊かにすることが基本理念であるとうたっているからです。その考え方には、二宮尊徳の報徳思想の影響があると思います。よく働き、質素、倹約、そして人助け、つまり徳を積めば生活はうまくいくという、儒教を基にして徳川時代に培われた日本人の思想でした。それによって、まだ発展途上にあった時代を支え、明治時代からの日 本の発展をもたらせたのだとおもいます。経済がグローバル化し、カネが第一の今の風潮に対して、私たちがもう一度考えなければならない問題だとおもいます。

(カンチョー&terra)

コメント

  1. 団塊の婆 より:

    今は拝金主義とも言うべき考えが横行していますね。
    昔の金持ちは1部かもしれませんが、大阪市中央公会堂や、大阪市内の橋などを遺してくれましたね。
    きっといろいろな地域の人々も自分のためにだけ生きていたわけではないのでしょうね。
    「金は天下のまわりもの」という言葉を子どもの頃聞かされました。
    その記録が残っていない、あるいは公開していないだけなのでしょう。
    今のこの時代、そんな多くの埋もれている歴史を公開していくのも博物館の役目ではないでしょうか。

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