吹田の景観展の講演会に外国カードを一枚加えることにしました。
ミンパクに10数人からなるオーストラリア研究グループがあり、現在、統括役は久保正敏さん、コンピュータ屋の視点からオーストラリア社会、ことにアボリジニ文化について興味深い論文をものしています。
日時:2007年5月20日(日)14:00~
テーマ:「ワニと暮らす人々-アボリジニの事例-」
場所:吹田市立博物館講座室
久保先生のプロフィールは、こちら→みんぱくHP。
北海岸のアーネムランド中央部にマニングリダの町があり、その管轄地にあるアウト・ステーションと呼ばれる三〇人前後のムラが研究グループの主要なフィールドだった。熱帯のこの地には、海水性のクロコダイル(イリエワニ)と、体長3mくらいまでの淡水性のクロコダイルの二種がいます。問題は巨大で凶暴なイリエワニ。
村人たちとワニの話をすると、大変盛り上がる。浜辺のムラでは「昔、大きなヤツが河口に紛れ込んできて、毎朝このあたりを散歩していた。身体を引きずったあとは溝のよう、横に大きな爪痕、追いかけられたときはすごいスピードだった」「嘘やん」「ほんとだ」。川沿いのムラでは「ワニは賢くてな、水の中からじっと観てるんだ。こちらの行動パタ-ンが分かってからおそう。だから規則正しく生活しないこと」「?」。犬が食われたという話、遠いムラの浜辺で老女がおそわれたという話、川縁で「あれ、ワニかな」などと呟かれるとぞっとする。
いま、イリエワニが少ないのは、盛んに駆除が行われた時期があったからのようだ。その時の彼らの反応が奇妙だった。白人にはワニは危険物以外の何者でもないが、彼らは、「そうではない、正しいlook after(世話)の方法がある、そのための歌や踊りのある儀礼がある」。長老はワニのウジャウジャいる川を渡る方法を教えてくれた(よう渡らなんだけど)。
かれらはどうもワニと人とを区別してないらしい。ワニをクラン(氏族)のトーテム(祖先)としている人たちもいる。ワニは食糧にされることもあるが、そんな人は、どんなに飢えていても口にしないという。動物が祖先というのはキリスト教文化の白人は理解できないようだが、飯のあと寝転がっていてウシになったり、ツルを女房にしたりしていた日本人には、わりとあっさり分かるような気がした。
ワニと暮らした人々と暮らしたわたしたち。久保先生の話に、私も加わって、かつてのフィールドワークの日々を語ってみたいと思います。
(カンチョー)
写真上:ワニの樹皮画 (中央アーネムランド)民博所蔵
写真中:ワニがすむ川 (撮影:2004.8.)
写真下:ムラの女性たちと (撮影:2004.8.)
コメント
私の財布は、牛革の2ツ折り・中身は、カード<クライシスな電子世界>や会員券だらけ。 象皮の財布は、体験ありません。 日本では、「蛇」の皮もよく見かけますが・・少しこわいので持ったことはありません。 あの、フランスの著名な、ブランドでも、ワーストレディーも、「ワニ」ちゃん。 ウルフの世界と「ワニ」そして、なぜ、財布・バッグは「ワニ」なんか、興味津々。 あそうか、・・「蝦蟇口」の財布・め大きく口を開けられる・・「ワニ」も大きく口あける。 思考停止・・2007年5月20日(日)14:00~まで。