わたしと万博(8)…デートと森の思い出

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このブログの連載企画を知ったのをきっかけに、店に来た客に「千里万博の思い出」を問うようになった。やはり地元だ。大抵の人がしばし盛り上がってくれる。これで客の年齢や人となりも見当がつく。

今日の女性客は「大学1年で初デートだったわ。家を出るとき何処へも誰ととも言わなかったのに、万博で姉にバッタリ会ったの」「えーあのすごい人並みの広大な会場で家族と偶然会うなんてあるんですか!」「そりゃあびっくりしたわよ。姉の相手、前の人と違ってたわ、でも姉妹ともあの時の相手が夫。食事?どこも混んでいたわね。キッコーマンのレストランを覚えてるわ」

私は当時地方出のビンボー学生。入学時世話になった兄の友人が誘ってくれたのだがこの人が苦手だった。色白、関西のぼんで物静か…なのだ。沈黙が続く万博見学は拷問だった。何を見たのか、何を食べたのか覚えていない。救いは夕方入場のチケットだったこと。

80年代半ばから私は万博公園に隣接して住んでいるが、子どもが小さい頃は四季折々何度も出かけた。本当に広い。遊び方はいくらでもある。あるときは緑探しゲーム。葉はこんなにも種類があったのかと驚く。パビリオン跡地には記念プレートが埋め込んである。プレートを探し出すスタンプラリーも楽しいゲームだった。実際に並んでやっと入場できたパビリオンなら当時の汗まで蘇ってくるのかも知れない。当時を知らなくてもプレートから想像が膨らむ。いつも子どもより自分が楽しんでいたような気がする。

万博跡地利用の数ある案の中から「緑に包まれた文化公園に」と決定したのは閉幕直後だったという。「30年で森をつくってほしい」と依頼された造園業吉村元男さん(現鳥取環境大学教授)は、森を三つの型に分け、シイやカシなど常緑樹中心の「密生林」、クヌギやコナラなど落葉樹が主体の「疎生林」、そして広大な芝生にムクやエノキなどがある「散開林」、と森の表情に変化をつけたそうだ。

吹田に万博公園が<ある>幸せを思うと、吹田操車場跡地を緑の森に、というナショナルトラスト運動には賛同したい。私も地主になろう!

(by sutan)

パビリオン記念碑を探すウオークラリー:「基本コース」は園内33ヵ所、所要時間2~3時間。「チャレンジコース」はエキスポランド(別途入場料が必要)を含む88ヵ所、同4~5時間。入場受付で申し込めば、記念碑に埋め込まれている刻印を鉛筆などでこすって写しとるスクラッチブックが無料でもらえる。

 

コメント

  1. 大木調査隊員C より:

    sutanさんの「私も地主になろう!」のことばを広げていきましょう。黙っていたら、そりゃもー、ありとあらゆるハコが並んでしまいます。単なるハコは博物館だけで十分・・・ですよネ。

  2. アルミ より:

    万博の切符というのは、いやがってる女の子でも連れ出すほどの威力があったんですねー。今なら何があるかしら。

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