シッペがえし

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座禅をしながら妄想にふけったり、居眠りをするとビシリと肩を打たれます。あの棒は警策、ほかに竹篦とよばれるものがあるそうです(阿辻哲次『漢字を楽しむ』講談社現代新書)。
阿辻さん(平成18年の「昔の文字」の展示でお世話になったかたです)によると、竹篦はシッペイとよむ。竹をシツと読むのは「漢音と呉音のほかにじつはもう一つ、平安・鎌倉時代から江戸時代までの長い日中交流の中で入ってきた唐音という読み方があり、この字音のルーツは、地域的には江蘇・浙江から福建にかけての南方の広い範囲でつかわれた音が基礎となっている。中国南方に総本山をかまえる臨済や曹洞、黄檗などの禅宗の僧侶が、留学からかえってきてからあと、現地の読み方をつたえた」からだそうです。

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南中国がは竹の分布の中心地ですから、殴るのにタケの棒を使ったのだナーということはよくわかります(ちなみに子供の頃よくやった「しっぺ」もこれが語源だそうです)。しかし、竹篦とか警策がどんなものか?一目みたいものだとおもって京都に行ってまいりました。

訪ねたのは曹洞宗専門の谷口法衣仏具店(高辻通麩屋町東入ル)。説明によると「警策は座禅の時、打擲につかうもの」、これはひらったい板状の樫の棒でした。そして、「竹篦」は、黒ウルシと緋の紐で飾った弓を半分に切ったようなもので、単なるタケの棒ではなく弓とおなじように合板になっていました。使用法は、(警策のように打擲に使うのではなく)禅宗の僧になるための最後の関門である法戦式(口頭試問のようなもの)で使う儀式の道具」とのことでした。つまり、竹篦は、現実には、別のものになっていたのでした。

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今回の調査は、大変おもしろかったのですが、仏教に関してはシロウトであることがつくづく身にしみて、もっと勉強する必要を強く感じました。

(カンチョー)

コメント

  1. カンチョー より:

    エードの字かなー。警策はキョウサクとよむそうです。禅宗のソートー、リンザイ、オウバクなど禅宗のはばつはわかりますね。カンチョーは館長と書きます。

  2. 団塊の婆 より:

    カンチョーさま
    読めない字がいっぱいあるのですが…

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