「古代の放生と祓い」

5月1日(土)、すいはく学芸課の藤井裕之さんの講演がありました。

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「生き物を殺してはならない」という観念はある意味では共感をよぶ観念です。仏教ではこれを殺生戒として大きく取り上げています。ところが、魚、獣、鳥などは大切な食糧であったため、ふつう人の生活にとってはすんなりとは受け入れ難いものでした。そこで、放生会という、生き物を放してやれば御利益があるという妥協策としての儀礼をつくったのです。

日本では、為政者が仏教を受け入れ、それを社会構造のなかに取り入れたため、土着信仰(神道)とのあいだに大きな軋轢が生じました。その歴史を古代史資料をつかいながら解明しようとした講演でした。なお放生会は真言系の寺および八幡社を中心におこなわれていたそうです。吹田では、現在おこなわれていないようです。

(カンチョー)

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