7月6日午後2時から古民家フォーラムがありました。
基調講演「古民家とまちづくり~守りたいもの、伝えたいこと~」
講師:北川央 氏(大阪城天守閣研究主幹)
「私が古民家を好きになった理由」からお話が始まりました。北川さんの伯父さんの家(=本家)である松原市にある北川家が、天保年間の屋敷であり、とても好きだった、そして、歴史が好きだった。大学院時代に、大学に残って学者になりなさいという教授たちを振り切って学芸員の道を選んで現在に至っている。
高度成長時代・バブルの時代に古墳や古民家などの文化財がつぎつぎと壊され開発されていくのを見てきた。文化財の保存より、開発を人々は選んだ。歴史や文化財の講演をすると多くの人が聞きに来てくれる。しかしそれらは選挙の時に保存を選ぶ票には繋がらなかった。
そんな経験から北川さんは市民向けの講演会や市民向けの執筆活動を続けてきた。そして、NHKの歴史番組「その時歴史は動いた」の制作・監修に携わり、大阪城から上町台地の歴史をめぐって歩くイベントを実施し、大成功を収めた、
などなど「オオサカキング」も含め数々の大イベントを企画・実施してきた楽しいお話をうかがいました。
北川さんの発想の豊かさ、実行力にただ感心するばかりですが、その原動力が、多くの人に歴史の素晴らしさを知ってもらい、その文化財としての大切さを理解してもらい、それらを保存し、後世・次世代につなげたいとの想いであると知り、私達の活動の想いと重なり嬉しい基調講演でした。
その後、実際に古民家の保存に取り組んでいる人々活動の紹介がありました。
①八尾市の安中新田にある旧植田家住宅【NPO法人HICALI理事長 木村正二氏】
②堺市の兒山(こやま)住宅【ナヤ・ミュージアム事務局長 松尾享子氏】
③吹田の浜屋敷【NPO法人吹田歴史文化まちづくり協会 尾浦芙久子氏】
④旧西尾家住宅【旧西尾家住宅館長 藤原学氏】
⑤旧中西家住宅【旧中西家住宅館長 梅田耕司氏】
それぞれ、いろいろな悩みを持ちながら古民家を保存し、利用することで文化を次世代に繋ぐ活動をされている、その中で困難な事柄にぶつかったりしているお話がありました。その中で今日、北川さんのお話を伺い、勇気をもらったような気がしたフォーラムでした。
今日演壇に登られた方々はこれからお互い情報交換などをしあいながら楽しい活動ができるのではないかと頼もしく感じた1日でした。
今日の北川さんのお話の中に伊勢神宮の神楽(暦を配る)が一度高齢化により、途絶える寸前だったが、今や若い後継者が大勢できて世界遺産に登録される可能性がある、とのことでした。
わたくし事ですが、過日伊勢神宮に初めて行って、また、遷宮がきっかけなのかいくつかのテレビ番組で伊勢神宮のことを知り、さらに、この正月、中牧館長の暦のお話で伊勢神宮の暦のことを伺ったことなど、この半年ほどで今まで知ろうともしなかった伊勢神宮のすごさ・歴史を改めて認識することができました。
(団塊の婆 おーぼら)
コメント
「その時市民は動いた」という番組をつくってほしいですね。
打ち上げのクリスタルホテルビアガーデンで豪雨に見舞われた後日談も聞きたいですね(^^)
水を差されましたが、めげずに階下、4階のレストランで続行と相成りました。古民家は「原住民」の住まいです。市民という名の「現住民」とどう折り合いをつけて活用していくか、知恵をはたらかせる余地は無尽蔵にあります。
団地やプレハブハウスも古民家に入れてほしい…50年たったら、もう資格あるでしょう。