ヒトガタ考(その1)

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高山市にある「岐阜県ミュージアムひだ」では、今『まめなかな?健康展』を開催している。

その準備中、なにを飾ろうかと討論していた時、Sさんが「年の暮れと夏の2回、高山の町には氏神社からヒトガタがくばられ、それに息を吹きかけて、また、納めるんです。そうすると無事息災にくらせると言われています」と話しだしたので、心底、びっくりした。白い紙に一寸切り目を入れただけのヒトガタは、御幣とにていて、各地の神社でつかわれている。しかし、町内の全戸が定期的におこなうほどに、日常生活に浸透しているとは・・・、飛騨の「歴史持久力」の強さに感嘆するばかりだった。そういえば、衣装に息を吹きかけ国民の健やかな生活を願う新年の儀式が皇室にあることを、三笠宮大殿下から聞いたおぼえがある。

日本には八百万の神といわれるほどにたくさんの神社がある。月、太陽、巨木、奇岩、山、蛇・・。すべてのモノに、魂(カミ)が宿るという思想は、唯一神を信じる、キリスト教やイスラム教とはまったく違う。日本人の神信仰はずいぶん曖昧なものともみえるが、初詣に数千万の人が神社に押しかけたというニュースを聞くと、その刷り込みの大きさを考えてしまう。しかし、カミはどんな姿をしているのかと聞かれるとこまる。とくに人間と似ているのかどうかが、大きな問題だろう。(つづく)

(カンチョー)

コメント

  1. カンチョー より:

    かいだんのばーさん:ヨーロッパにはあるようよ。みんないちおうはキリスト教(最近は旧植民地からの流入でいろいろだけど)のようですが、ゲルマンだの、ケルトだのがもぐってるみたい。中世の魔女や魔女狩りはそれと深く関わっているという意見があります。アフリカは実情はようしらんです。みんぱくの展示を見るといっぱいあるようですがねー、石毛センセにでも聞いてみます。オーストラリアのアボリジニはアニミズムでそこらあたりに神聖な岩だの人を呑み込む木だのがあって、四国の神社に行ったみたいです。

  2. おーちゃん より:

    7月27日、元祖「千里ニュータウン展ブログ」がなぜか急に100件以上のアクセス。・・・・・どない、なっとん?

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