千里ニュータウン展・付録の中身(5)

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Sさんの蝶の標本

吹田ヒメボタルの会のSさんが、千里ニュータウンで採集したチョウを、「開発後見かけなくなったり、少なくなった蝶」「生息域を広げ、見かけるようになった蝶」「公園・緑地の街路樹を餌に、市街地で生息する蝶」に分類しなおしていただいたものが、展示場にある標本です。これをみると、チョウを通して環境の変化を読み取ることができます。

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ニュータウン草創期に育ったわたしの記憶にあるのは、かつて多かったというグループのキアゲハ、キタテハ、クロアゲハ、そして市街地で生息する蝶のなかの、モンシロチョウ、キチョウ、ヤマトシジミあたりでしょうか(あまりチョウに興味がなかったので、地味なチョウは印象に残っていなくて・・・)。

ただし、同じグループであっても、アオスジアゲハやツマグロヒョウモンは、どうも最近になってからよく見かけるようになった気がします。千里NTは、一気に造成が進み、開発当初は何もない都会の砂漠的なところだというイメージをつよく持っていましたが、まだ周辺部には田畑が残っており、現在に比べると田園的な特徴も持ちあわせていた、といえるのかもしれません。

その後、ニュータウン内の植生が充実してくるにしたがい周辺部はマンションなどの開発がすすみ、田畑はめっきり減ってしまいました。ガーデニングがさかんになって、外来の園芸植物が増え、すっかり見かけるチョウの種が変わってしまったように思います。これは、単純に温暖化のせいだと思っていたのですが、今回の展示で、まわりの環境がずいぶん変わったためだということを改めて認識しました。

(by ぼら)

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