鉄道遺産と地域

吹田操車場の講演会に行けなかった私は、兵庫県の日本海側にカニツアーに出かけておりました(私事でスミマセン)。

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さーてカニも食ったしコウノトリも見たし、あと何か見るべきものは…?と地図を見ていて思いあたったのが山陰本線の「餘部(あまるべ)鉄橋」。鉄道ファンでなくても絶景の地としてご存知の方も多いのでは?…高さ41mもあるこの鉄橋、なんと明治末に架けられて95年たっているのですが、老朽化のため今年にはコンクリート橋に架替工事が始まります。これは「鉄」としては今見ておかねば…と、足を延ばしてきました!

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餘部は日本海に面した山陰の小さな集落。橋の下には1986年に起きた列車転落事故の慰霊碑があってクルマも停められますが、撮影ポイントと餘部駅には、急坂の歩道を上っていかねばなりません。「バリアフリー」という言葉が吹っ飛びそうな急坂は、まさに天国への道…。でも橋が近々姿を変えるからなのか、そうでなくてもここは人気があるのか、観光客+鉄道ファンが次々と上っていきます。

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やっとたどりついた餘部駅には、1959年にこの駅が設置されたとき、住民が総出で土木工事を手伝った様子を再現した「壁画」が…。1912年に橋が架かってからもここには駅がなく、なんと住民はこの鉄橋を徒歩で渡って隣の集落まで行き列車に乗っていたとか…。地元からの請願でやっと待望の駅が設置されることになり、その工事の様子を1991年に地元の人たちが力をあわせて描いたのがこの壁画です。

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下から見てもスゴイけど、上から日本海を背景に見た景色はまさに絶景!悲しい転落事故を乗り越えて、橋に寄せる地元の人たちの思いに胸を打たれました。この橋を渡れば、隣の村へも豊岡へも京都へも東京へも行ける…。鉄道は、いろんな人の思いを乗せて走ってるんですよね。

(by okkun)

 

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