子どもの頃描いた風景

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このあいだひさしぶりに故郷に帰ったとき友人が、昭和30年代に描いた絵(上)がでてきたが、その時の民家が今もそのまま残っているよと見せてくれた。それを持って現地に出かけていった。納屋が駐車場になり、まわりの道路や電柱、家並みなど景色はかわっていたが、たしかに家はあった(下の写真)。

日曜画塾のこと
あの頃、絵画塾があって、八幡さんの山や有明浜に出かけて風景を描いた。そのあとは相撲、木登り、水泳をして遊んだ。遊具がないので全身を使う。よくケンカをしたが、いじめはなかった。絵と風景を見比べているうちに、いろんな記憶が浮かんできて、涙が出そうになった。

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歴史というもの
歴史というと卑弥呼だの弘法大師だの、昔のことばかりと思っていたのだが、半世紀以上生きると、自分自身が歴史のなかにいたことに気がつく。一昨年は「ALWAYS-三丁目の夕日」という映画がヒットしたし、昨年の千里ニュータウン展は大入りだった。

時代とともに変化するのは、モノだけではなく、自然景観もそうだ。海辺の山には背の低いマツがしがみつくようにはえていてスカスカ、山を走り回って遊んだ。ところが、今は鬱蒼とした常緑樹の森になり、落ち葉があつく堆積して歩くのさえ大変だ。それにくわえて、現代の土木工事のすごさ。讃岐平野では、消えてしまったつ山がいくつもある。あの頃の故郷はどこへいってしまったのだろう。

絵の展覧会をやろうか?
昭和30・40年代については、たくさんの写真集が出ている。写真のコレクションと分析は学者の重要な手段になっている。しかし、絵は少し趣が違う。正確ではないかもしれないが、細部がはっきりとわかるのは、描いた人の掴んだポイントが示されているからだ。
これを利用する手はないか?場所が特定できる風景画を選んで、そこをとった写真と並べると、変化がはっきりと分かるだろう。昔話に花を咲かせるのもいい。「昔の子どもたち」は大いに貢献できると思う。

(カンチョー)

 

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