「古い写真の楽しみ方」奥居武氏

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土砂降りの日曜日になってしまいましたが、
6月24日14:00から、吹田市立博物館で、奥居武さんの「古い写真の楽しみ方 定点観測とデジタル復元」がありました。

なぜ古い写真とつきあうことになったのか
今から遡ること12年、阪神大震災がきっかけで、神戸のご親戚の家にあった戦前から’70年代ごろまでの一族の写真2千枚ほどが、どっと奥居さんのところにやってきてしまったのです。
そこには、お母様の子どもの頃の写真だけでなく、おじいさま・おばあさま、ひいおじいさま・ひいおばあさまの姿が・・・関東大震災、戦前のアメリカ生活のようす、第二次世界大戦などの、家族と歴史をつなぐ世界が写っていました。

でも整理されていない。
そこで、デジタル化をはじめたそうです。そうしているうちに、セピア色に変色しているだけでなく、折れたりして傷んだものをみて、撮影当初の姿に戻して見てみたい!と思い始めてしまった凝り性の奥居さんは、復元にも挑戦していくことになったのでした。

その奥居さんのもとに、今度は、市民委員に引き込まれたのがきっかけで、千里ニュータウン草創期の写真がたくさん集まってきたのでした。育った場所ですから、土地勘(とつよい愛郷心)がある。それで「今、その場所はどうなっているのか」が気になってしまって、定点観測の道にのめり込むはめになった、というわけだそうです。

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撮影された場所だけでなく、季節や時間も、できるだけ合わせようと励んでいるそうです。バスの位置にも、こだわるところなぞ、並の努力じゃないですぜ(でも、会社の方も忘れずがんばってくださいね)。

古写真の観察は、始めるとけっこうおもしろい。話が終わっていないのに、カンチョーが乱入?していました(よ~く見ようとして、近づいている)。
フロアからも、積極的に発言があり、なんだか研究会のような雰囲気になりました。(自由に発言しやすい人数の規模というのがあるのですね。こーゆーふうな、ちょっとマニアックな会もいいものだと思いました。)

(こぼら)
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ここからおーぼらが報告します。

★『セピア色に変色しているだけでなく、折れたりして傷んだもの』の修復。(写真左)
このように一部欠けているところは“想像”で画をつくって修復します。

★『撮影された場所だけでなく、季節や時間も、できるだけ合わせようと励んでいるそうです。バスの位置にも、こだわる』(写真右)
このバスは15分待たないと次のが来ない。来たと思ったら手前に大型トラックが止まるなんてことがあって、この一枚を撮ることは、そう簡単な作業ではないそうです。
それにしても40年で木は大きくなるものです。ガードのむこうのメタセコイヤの立派なこと。

 

コメント

  1. おーぼら より:

    カンチョーさま。『40年の木の年輪』はザラにゲットできますよ。3~4年前に公園で大量の木が倒れ、まだ某所に安置されたままです。さらに、今年は日本周辺の海水温が高いとやら。ってことは巨大台風が勢力を落とさずに上陸してくれそう!!そしたら、もっともっとゲットできるでしょう・・・コワッ。
    PS:化け猫URLは進化する展示です。

  2. okkun より:

    そうそう、来たバスが広告バスだったらもう一本待ち、とか…不審者の資格十分です。阪急バスのカラーリングは、クリーム色の部分が若干増えブルーの部分が減っていますが、基本的には40年以上変わっていません。

  3. もぐら より:

    おもしろかったのが伝わってくるレポートですっ。私は手元にある三内丸山遺跡の一年の定点観測の写真をアップしたいと思いました…。(1年でも結構変わるのです)

  4. こぼら より:

    okkunさんちの写真をみながら、『工藤写真館の昭和』(1990朝日新聞社/1994講談社文庫)を思い出していました。(ノンフィクション作家の工藤美代子氏が、東京は両国で写真館を経営していたおじいさんの撮られた写真をもとに書かれた家族の物語。)写真機が高価だった時代のスナップ写真って、ほんとうに貴重ですよね。

  5. カンチョー より:

    おーぼらさま:万博展で、40年の木の年輪、てんじできませんかネー。

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