ボランティアの先輩たち

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まもなく終わる「07EXPO70-わたしと万博」(通称:万博展)は、昨年の千里ニュータウン展に引き続き、公募された市民委員が企画運営を行っています。

プロの学芸員がベースを作って、そこにチョチョッと市民が参加するのではなく、正真正銘の「全面委託」!(「丸投げ」とも言う…)いやーなんて大胆なんでしょう…。市報や口コミでワラワラと集まってきた何の関係もない30数名(ニュータウン展では44名)のシロート集団、決して一致団結はせず、しかし百家争鳴、百花繚乱!ギリギリまで「これでまとまるのか?」とハラハラしつつ、しかし「万機公論に決すべし、ボクは市民に命令はしないよ」と言うカンチョーのあやしい手練手管と学芸員の皆さんの涙ぐましいサポートによって(だから決して「丸投げ」ではないですね…)、ふだんの特別展より何倍も人を集めてしまうのは21世紀の奇跡と言うほかはありません。

わたくしokkunが「千里ニュータウン展」の委員会に遅れて入ったのは約2年前…。おそるおそる講座室の扉を開けると、60代を中心とした老若男女が口角泡を飛ばして議論の真っ最中!40代後半の僕でもほぼ「最年少」に近く、諸先輩方を前に(しかも遅れて参加して)どこまで好きに意見を言っていいのか…と不安だったのですが、議論が終わるや否や、皆さんの手作り「ボランティア名刺」「NPO名刺」がどっと手元に集まったのでした。館長らしい人が誰なのか全然わからなかったのですが、あとでわかったのはゴジラの絵がついた名刺を「はいこれボクが浪人中の名刺!」ってくれたおじさんがカンチョーだった…。熱く温かい歓迎でした。

以来2年、自他ともに驚くほど博物館に「つかまって」しまいました。そんな雰囲気の中で、実に自由に意見を言っていいという雰囲気を皆が作っていることが気持ちよく、足が洗えないんでしょうねきっと。まったく上下なし。議論してるときは完全に年齢を忘れています。僕は一応サラリーマンなので、平日の昼間は時間が自由にならないし、平日の晩の会議も実はキツイ。会社が忙しいときは土日だって仕事があります…。48歳なんて決して体力もないのですが、でも平均60代の中ではパソコンには抜群に強いことになってしまうし、体力仕事も実はもっとやらないといけないんだろうなと申し訳ないのですが、徹夜明けで博物館のことやったりしてると、実はふらふらです。会社に行って仕事のメール書き、帰宅して博物館のメール書き、朝起きて早起き市民委員の人にメール書き…。

もうこれ以上出来ない。ボランティアとしては「やり過ぎ」だ。そう何度も思うのです。でも、僕より20歳も年上の人たちが、何の金銭的報酬もなく、ただ「自分の町をなんとかしよう」「自分の町の博物館をなんとかしよう」という思いだけで集まってくるのは、やはり胸を打たれるものがあります。「自分が好きなことやってるだけでしょ?」って言っても、大変なんですよー。頭も体も使います。紫金山の坂道を皆で3階まで電気自動車を押し上げる一場面、まるで「地域」というゴルゴダの丘を上るイエスキリストのようではありませんか?

願わくばこういう善意の市民を祭り上げてコキ使い過ぎることなく、「千里ニュータウン展」「万博展」という瞬発的な成功だけを追うのではなく、「つづけられるやり方で」市民ボランティアがずっと町の力になる吹田であり千里であってほしいなあと思うのでした。

わたくしは万博展が終わりましたら博物館の発展とリオちゃんの恒久安置を祈りつつ、一介の一市民…あえて言うなら少々「ニュータウンオタク」の一市民に戻りたいと思います。…って、ニュータウン展のときもこんなブログがありましたが…。(みんな、普通のおじさんとおばさんに戻ったか?)

(by okkun)

 

コメント

  1. おーぼら秘書 より:

    みなさんほんとにご苦労様。サラリーマンの仕事をしながら市民委員、だれにでもできるものではありません。おーぼらもサラリーマン、しかも、9月から転職(?)して。定年を過ぎての転職は体力にも不安が…なのに講演ごとの報告、秘書ながら関心しています。
    これだけのことをしていながら博物館は今後どうなるのか、どうするのか、奇妙な声まで聞こえてきて不安がいっぱい。
    ほんとうに市民委員のみなさんはどうおもっていらっしゃるのでしょうね。二回関わった人たちが多く、やや疲れ気味かな…と感じていますが今後も毎年市民主導でなさるのでしょうか。人が変わればまた変わるのかもしれませんが、この一回or二回関わった人たちの本心を是非聞きたいですね。

  2. みっちゃん より:

    okkunさん、そして市民委員のみなさん お疲れ様でした
    万博展では委員が少なくて大変だったことでしょう。しんどい思いが強すぎると後が続きません。やっぱり楽しかったりやりがいがないとね。
    今後、博物館を折角 盛上げようと集まった力が、分散してしまうのが心配です。どうすれば、持続できるのでしょうか
    この2回の企画展で得たものは何だったのでしょうか。・市民にも出来る企画があると実証できた・お金をかけなくともいい企画はできる・博物館に人を集める難しさが分かった?・チラシを配るだけでは集客力にならない・博物館に市民が何を求めているかが見えてきた
    市民委員のみなさんはご苦労されて、何が見えてきましたか?

  3. 橋本俊 より:

    okkunさん、市民委員の皆様、お疲れ様でした!
    前回の「千里ニュータウン展」を後追いで取材?調査?して報告書にまとめた者です。(できれば万博展の皆様にもインタビューしたいです!)
    個人的には、千里NT展は、博物館、館長さん、様々な市民委員のみなさんがある意味、バラバラの目的と方向性を持っており、それが溶け合ったりぶつかったりしていくなかで大きな推進力となって成功を導いたような印象を持ちました。つまりは、なにかすばらしい市民参画システムがあったというよりは、「個人の力」が支えていたということではないかと。

  4. 橋本俊 より:

    okkunさん
    >(勝手がわかってきて)だんだんイキイキと面白そうな表情になっていったのが印象的
    これが市民参画のよさですよね~!博物館活性化と同時に市民委員も活性化されていくという(すいません、知ったかぶりで)。写真を見る限り、今回も大学生は戦力外だったようですが、学生の力も加わるともっとおもしろくなるかもしれませんね。
    ぜひ報告書を~

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