高度成長期に日本中に作られた「団地」は、いったいどれぐらいあるのでしょう?日本の総人口に占める「集合住宅居住率」は2割弱と言われていますから2000万…このうち1/3が階段室型のいわゆる団地として700万ぐらい…今だけでなく「前に住んでた」という人を入れたら数千万という人たちが「団地」のお世話になってきたんじゃないでしょうか?
それだけいっぱいあった「団地」が、高度成長期に作られたものから、いま建替でつぎつぎと姿を消しています。現代日本人の夢とか、暮らしとか、思い出がいっぱいつまった「団地」…ゴージャスではなくても機能性の知恵が込められた「現代の遺産」といえるでしょう。
いまネット上には、団地に関するサイトがたくさんあります。
●住宅都市整理公団
●団地百景
●公団ウォーカー
●ALL-A
●集合住宅博物館
ここで育った世代が社会の中核になり、発信を始めているのです。
で、団地のメッカ「千里ニュータウン」。
「千里ニュータウン展」でのサテライト展示や、「万博展」でのお部屋再現が好評を博したことは記憶に新しいところです。バスオール、西向き棟の日よけ、囲み型団地の模型、再現キッチン、ニュータウンのジオラマ…いろいろな「思い出の種」が出てきました。でも今年もたくさんの団地が建替で姿を消すでしょう。これを保存しなくてどーするよ?
僕はウマより古墳より、そういうものを吹田市立博物館で見たいです。初夢だからダイタンに書くと、ニュータウンの中のどこかに、博物館の別館として一棟まるごと保存して欲しいです。住居ごとに1960年代、70年代、80年代、90年代、21世紀…室内も再現したら面白いんじゃないでしょうか?
千葉の松戸市立博物館には常盤平団地の部屋再現があって有名ですが(ここも市立博物館なんですね…)、千里が、吹田が団地のことをやらなくてどーする?全国から見に来ますよ。(ウマじゃ吹田市民さえ見に来ない。)
経済成長、人口増、都市化にこたえる「住まいづくり」にどのような知恵を日本が使ったか?ということは、中国やインドなどアジア各国にも発信力を持つはずです。ニュータウンは日本中、世界中にある一種の「現代文明」です!日本で最初のニュータウンを擁する吹田が団地を保存することは、もうすごく説得力があると思うんだけどなー。
(by okkun)
コメント
壮大な夢ですねー。これを実現するにはどんな手があるのか、本気で考える必要がある。カネはともかくとして、行政の縄張り、建築法,etc。たしか、原宿のドウジュンカイのボロボロの建物が、おもしろい利用のしかただった。住民次第というわけか。
「町並み保存」の場合は、外観を保てばよし、内部はある程度現代の生活にあわせようという感じですよね。初期の団地をまるごと、生活まで保存するのは、あまりにもムリが・・・
しかし、これも経済的なモンダイがからむから、いたしかたはないのですが、マスタープランの保存というか、中・低層住宅は、中・低層住宅に建て替えというふうには、いかないものでしょうか。ただ樹木が成長したというだけではなく、どんどん高層化の道をたどり、視界がおおきく変化し景観がかわっていくのがさびしいです。森は100年先を考えてつくるもののようですが、まちは50年もたたないうちに、当初の計画がくずれちゃって、いいのかなー。