竹のおみやげ/観光人類学の視点

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カフェ・タンポポが今回の展示のために、市民に呼びかけて集めた竹製品には、外国からのお土産品がありました。そこで、千里の竹展では「海外からのおみやげ」コーナーをつくることにしました(まだ準備中ですが)。

おみやげとは漢字で土産品と書くように、その地の特徴をあらわす食べ物や品物です。それを持ち帰ることで、旅行の印象をよみがえらせたり、(観光地側から言えば)再び訪れてもらうよすがにしようとするものと考えていいでしょう。

まず思い浮かぶのは食べ物、これは本来、生ものがいいのですが、外国からの場合は、「検疫」がある上に、日持ちがしない、重いなどいろいろ問題があります。だから、どうしても缶詰、ビン詰めなど包装のしっかりしたものに限られます。唯一それをクリアしているのがお菓子類でしょうか、しかしタケはあまり食べませんね。

旅の記念ということになると、どうしても、軽く、持ち運びやすい、飾り物やアクセサリー。本物よりはミニチュアが中心になります。ミニチュアには、その地の特徴や風景を彷彿とさせる博物館のジオラマやレプリカにもつかえるような、精巧な出来のものがあります。逆に、安価なものは、神様へのお供えもののような、ちゃちなもですが、それもご愛敬、物見遊山の気分にピッタリかも知れません。

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最近の海外旅行者数は1700万人をこえ、日本人は気楽に海外に行ける時代になりました。観光は21世紀の世界の主たる産業として注目されています。その一翼を担うのがおみやげ物であることは確かでしょう。民博にいたころ、オーストラリアにおけるアボリジニのみやげもの生産に興味を持ち、展示を真剣に考えたことがあります(実現できませんでしたが)。

吹田市には、おおくの文化財や旧跡があります。行政も力を入れていて、まちづくり、まちおこしの動きがさかんです。それが充実すれば、世界から人びとが集まる観光都市になることも容易に予想できます。なかでも、千里の竹林は「21世紀に残したい風景百選」に選ばれるほどなので、太陽の塔や千里ニュータウンなどとならんで、観光の目玉の1つとなるでしょう。今回の展覧会は竹林を守り、竹資源の有効利用を考える人びとの協力をえています。そのなかから、シンボルとなるような「みやげもの」、タケ商品が開発されないだろうかと思うのはわたしだけでしょうか?

(カンチョー)

写真上:マニラのカゴ売りのミニチュア
写真下:台湾の空港で(2008.4.) たくさんの竹製品みやげが並んでいた

コメント

  1. 団塊の婆 より:

    籠売りのミニチュアというの、すっごいですね。写真でなく実物を見に行きます。

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