博物館の平成18(2006)年度春季特別展「千里ニュータウン展」市民委員会の委託を受け、名神高速道路下トンネルの出入り口壁面に絵を描いてから3年あまり。今年の夏休み最後の日、最後に残った壁の絵にカンチョーが筆を入れて巨大壁画が完成しました。
壁画の大きさは高さ4m(作画部分は3.5m)、長さ約40m。昨年完成した東側とあわせて、すばらしい空間ができました。ひきつづきおこなわれた式典で挨拶したカンチョーは「わたしがこの博物館に赴任してきたころ、このトンネルは殺風景で落書きだらけ。夜はおばけが出そうでした。それがみなさんのおかげで……」(あとは感涙で言葉にならず…)
「21世紀の夢を描こう・祭りつどい踊り」をテーマに原画を公募し、採択された原画をもとに、アーティストと公募した参加者、地域の子どもたちから大人まで、アートを通じて交流をはかりながら制作しました。今年の壁画作成には延べ人数で子ども140人、大人75人がかかわりました。
完成式には延べ100人を超える人が集まりました。主催者の『現代美術を愉しもう塾』から 壁面の洗浄から下地処理では、地域の高齢者クラブ、大学生、中学生などの大きな支援がありました。通るたびに声をかけ励ましてくださった方々、そのほか各方面からのご支援やご厚志を戴きました。日中気温が35度近くになる暑かった今年の夏、トンネルを吹き抜ける涼しい風を受け、また蚊に悩まされたりしながらも、楽しく制作することができました。
写真は今年の描画にかかわったアーティストたちです
正午から場所を博物館芝生庭に移してワンコインパーティがひらかれました。ここでもたくさんの交流、出会いがあったようです。
パーティには音楽がつきもの。「ピップエレキバンド」というバンドが誰でも知ってる歌を中心に演奏してくださいました。彼らは子どもの保育所で知り合い、結成したパパさんバンドです。今その子どもたちは小学校5、6年生になっています。
====現代美術を愉しもう塾 蓬田塾長のお礼のことば====
吹田市立博物館内 トンネルアート完成お礼申し上げます。日を追うごとに青く大きくなるドングリを眺めながら、トンネルの夏が終りました。このたびトンネル壁画を無事に描き終えることが出来ましたのも、ひとえに関係各位の皆さま始め、応援して下さった方々のお力添えの賜物だと、深く感謝しております。
このトンネルアートは、平成18年の博物館春季特別展「千里ニュータウン展」市民委員会の委託を受け、トンネル両入り口の制作から始まりました。その後、吹田市の市民塾として平成17年にスタートした「現代美術を愉しもう塾」が、任意の団体として、このトンネル制作に活動の重点を置いて継続して参りました。今回のパート3も昨年同様に「子どもゆめ基金」の助成を受け、「アートの力で世代間交流を図りつつ、楽しい空間を創造しよう!」と、トンネル内部完成を目指して挑戦しました。 各方面に広く参加を呼びかけ、「21世紀の夢を描こう・祭りつどい踊り」と原画を公募、そして子どものスケッチ会も催しました。
採択された原画をもとに、アーティストと公募した参加者、地域の子供達から大人達が描く、アートを通じた異世代間交流をはかりながらの制作活動です。壁面の洗浄から下地処理では、地域有志、高齢者クラブ、大学生、中学生の大きな支援がありました。そして、通るたびに声を掛け励ましてくださった方々や、そのほか各方面のご支援やご厚志を、昨年に引き続き、またさらに大きく力強く戴きました。作業開始当初から、日中気温35度近くになる暑かった今年の夏。トンネルを吹き抜ける風にホッと一息つき、蚊に悩まされたり、またカミナリに驚いたりしながら、子ども達とアーティストそして大人達が、共に楽しい制作の日々を過ごすことができました。
吹田市市民塾で「アートへのゆめ」を得て、「子どもゆめ基金」からは資金を得て、関係各方面のご協力とご尽力のお陰で、その夢の種を子ども達に蒔く機会を得ました。そして「皆さまの励まし」から、夢の実現に向かう大きな力を頂き、このトンネル壁画は完成しました。このトンネルを行き交う全ての方々にとって、ここが愉しい空間、夢みるタイムトンネルで在りますようにと、塾生一同願っております。皆様のご支援に心からお礼申しあげます。本当に有難うございました。
平成20年8月31日 現代美術を愉しもう塾 塾長 蓬田理恵子
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(おーぼら)
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