マンガはいまや、日本最強の輸出文化資源と言ってもいいでしょう。「ドラえもん」「アンパンマン」「クレヨンしんちゃん」、手塚治虫、スタジオジブリ、かずかずの萌えキャラ…
前にタイに行ったとき、「子供がクレヨンしんちゃんのマネをして困る…」とタイのお母さんが嘆いていたし、ベトナムの路上では現地語に翻訳された「ドラえもん」を売っていたと思います。クルマやエレクトロニクスの輸出がへたっても、マンガ文化の輸出はへたらないような気さえしてしまいます。
したがって自民党総裁選のとき、麻生太郎氏が「マンガ通」であるということは、明らかにプラスポイントでした。マンガがわかってる人なら、ひょ~っとしたら日本を救えるんじゃないか…?
ところがいったん当選し、漢字能力に関してさまざまのエピソードを残すようになると一転、こんどは「マンガばっかり読んでるからだ!」と、マスコミはからかうのなんのって…
この態度の変化が、現在の「マンガ」に関する世間のビミョーな位置づけを象徴していると思います。
いま千里で話題になっている大阪府立国際児童文学館の存続問題に関しても、橋下府知事が「マンガばっかり置いてあった」などと発言したことが物議をかもしました。
地元の大人たちは、児童文学館がコストカットの的にされたこともさることながら、「マンガを貶められた」ことに関して怒ったという感じがします。怒っていた人たちが橋下府知事より年長であったことも面白い現象でした。学園紛争があって「最近の大学生はマンガなんか読んで!」と嘆かれた世代はいまや60代…マンガ世代はそこまで上がっているのです。
府知事の発言に対して「マンガは全蔵書の2割以下で…」という「弁解」が試みられたようですが、そうではなく、「マンガは立派な児童文学です!」と反論するべきではなかったのでしょうか?
いや、児童文学じゃなくてオトナの図書館に収容しようというのは、ひょっとしたら知事もマンガがお好き?
(by okkun)
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