8/30(日)をもって『吹田市の自然物語』の展示が無事おわりました。入場者数もふえ、大変活気のある展覧会になりました。これは1町5村のアーカイブ展の第三期、夏休み期間なので、ターゲットを子どもたちにあわせました。もちろん、自然と環境の問題は、大人にとっても大切で、エコ・カーとかグリーン革命などという言葉がふつうに使われることからもわかるように、わたしたちが、これから直面しなければならない地球的な問題となっています。
これまで、すいはくは考古学、歴史の博物館であると称して、「自然」を本格的に取り上げることはありませんでした。そのため、動・植物の標本のようなナマモノを取り扱う設備、技術、知識がなく、苦労が予想されました。しかし、2006年春、千里ニュータウン展のとき、各分野での専門的知識を持った人たちが多数集まり、ボランティアー委員として、企画・運営に参加した結果、市民が博物館をサポートする「(はくぶつかん)盛り上げ会」という核が形成されました。それが展開しながら2007の万博展、2008年の千里の竹展をおこない、今回がその4回目にあたります。
市民は、それぞれの意見や思いを持っており、とくに自然というひろがりの大きい問題を扱うこともあって、案をまとめるのが大変でした。限られた予算と期間、狭い展示場という制約がそれに重なるのですから・・・。それでも、定期会議、担当によっては連日の研究・作業会、調整のためのグループメールが飛び交うなど、大わらわの活躍ぶりで、オープンにまでようやくたどり着いたという感じです。
近々、総括と反省会をやる予定なので、詳しい言及は控えますが(ハトヤマさんみたいですな)、私の印象を述べますと市民の皆さんとコラボした結果、「博物館の風景」が大きく変わってきたことを感じています。今回は、「セミの抜け殻あつめ」、こどもたちが毎日のようにやってきて、なんと1万を超える抜け殻が集まりました。西山田グループの「タタミ9畳もある大地図のうえで、いまとむかしの写真をもちこんで比べ、景観の変化をみる企画。これらは陳列品がケースから飛び出して、直接さわることのできる装置で会場に活気をあたえたとおもいます。
市民の要望を汲むとイベントがおおくなります。講演会やシンポジウムは河合雅雄、阪本寧男先生をはじめとする専門的な講義のほか、「森の木、街の木」、「吹田の自然と人のかかわり」、「吹田の地盤と防災」など市民グループが企画し、参加したものが大変おもしろく意義あるものでした。市長が出張ってきて大変感激しておりました。
観客の流れに大きな変化が見られたのは、体験学習でした。これまで、不思議なことに博物館のイベントに午前中には人が動かなかったのですが、親子連れで押し寄せ、F学芸員によると「朝からファミレス状態」になりました。これまで、大人の視点からしか考えていなかったのかも・・・と反省しました。
ほかにも、演劇、コンサート、クイズラリー、食やおでかけイベント、喫茶コーナ、これらは過去何回か試みられたものですが、全体がよくまとまり、全体的に統合されてきたと思います。子どもを連れではまってしまったお母さんの「博物館ってこんなにためになり、おもしろいところだったの」という言葉に大変こころを打たれました。市民に開かれた博物館、それがわたしの理想なのですから。
ありがとうございました。
(カンチョー)
中間報告・入館者数(3Fの展示場に入った人数)のグラフをつくってみました(こぼら)
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