昨日ご紹介したツバメの巣のツイッターをごらんになった方は、ときどきヒメボタルの報告がまじっていることにお気づきかと思います。今、ヒメボタルの発光は佳境に入ったもよう・・・S翁さんは毎夜休むことなく、その数を調査されています。
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このところ、ヒメボタルの発光を求めて、夜毎、緑地を彷徨しています。今年もちょうど発光最盛期を迎えていますが、発光期とは繁殖期。つまり、発光の多寡は繁殖の増減となりますので、その数に一喜一憂しています。
そんな夜毎の調査で、同じ場所での発光に気付くことがありますが、その殆どはメスの発光です。なぜメスなのかというと、ヒメボタルのメスには飛ぶための翅(後翅:写真参照)が無い、だから飛べないのです。昼間は、落ち葉や草の根もとに潜み、夜になると草木を登り、発光しながら、ひたすらオスの来るのを待ちます。
そんなメス求めてオスは徘徊し、メスの発光を認めると近くの葉や枝に降りて、歩きながら、メスに近づきます。近づくに従って、発光間隔を互いに変えるなど、まさに会話をしているようで、平安の昔にあったと言う「通い婚」を思い起こさせます。
以下は私の珍説?ですが、ヒメボタルのオスの目玉は大きいが、メスの目玉が小さい(写真参照)のは、「通い婚」の結果、メスの光を求めるオスの目玉は必要に迫られて大きくなり、光を求める必要のないメスの目玉はオスより小さくなったのではないかと想像しています。
おなじホタルの仲間でも、互いに飛びながら相手を求め、「通い婚」でないゲンジボタルは、オスもメスも目玉の大きさに変わりがないのです。
夏季の自然・環境展では、「ヒメボタル面白話」集の様なクイズのパネルを考えています。頭部が目玉と一緒に折りたたまれる構造、ホタルは「飛んで火に入る夏の虫」になるかなど、観察にもとづいた珍問集?を考えておりますので、どうぞお楽しみに。
(S翁)
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