ニュータウンは伝染する-1…北海道・北広島「ふれて」喫茶

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これはニュータウンネタなので自分のブログに書こうか迷ったのですが、別のことをいま書いてるのと、今年の秋には博物館で「ニュータウン展2」をやるというし、より多くの方に読んでいただきたく、こちらにアップすることにしました。

こちら、北海道は札幌郊外の北広島団地。千里ニュータウンに少しだけ遅れて開発された丘の上の大規模ニュータウンです。面積は440haですから千里ニュータウンの4割ぐらいの大きさ。開発時期が近いのと地形が丘陵なので、千里とは景色や町の造りが似ています。集合住宅も戸建もあります。

…ということは高齢化も進んでいて…これはどうしたものかと、北広島に関わる皆さんが2009年1月、千里ニュータウンに視察に来られました。北海道ですから人口密度や地価は全然違うのですが、それでも何か共通の解決策が見つからないかと、熱心に「ひがしまち街角広場」などを見て帰られたのです。

時は流れて2012年2月、ニュータウンマニアのokkunはニュータウンの冬景色が撮りたいと、北海道へ行ったのです。北広島は2008年8月にも行ったことがあり、千里と近いものを感じていたので、2009年に視察に来られた方に連絡を取り、案内していただいたのが…ここ!団地内のサブセンターにあったスーパー銭湯を大改修して造ったデイサービスの1階のコミュニティ・カフェです。

「千里の街角広場を参考に、こんな空間を作りました!」

という説明に、感激したのなんの…ここは靴を脱いで上がるのですが、学校帰りの子供たちもやってきます。2階のデイサービス利用者も下りてきます。それに…街角広場より10倍ぐらい広い!(まあそれはどうでもいいけど…)

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千里から1000kmも離れた北のニュータウンに、千里の工夫が飛んで行った!ここの方が千里の街角広場を見て思ったことは「世代に関係なく、子供もお年寄りもその間の人も、無目的にいられること」…だからここはデイサービスの1階なんですが、運営は市民がやっていて、会計も別になっているそうです。ふらっと学校の帰り、買物の帰りにたちよれる場所…そんな街角のエッセンスが、きちんと伝わっていると感じました。

北広島団地には小学校が4校あったのですが、人口減と少子化でこの4月に2つずつ統合され、2校になるそうです。その跡地利用が町のテーマになっている…と聞いた時、ああやっぱり、似たように造った町は、似たように歳月を重ねるんだなと。でも、ならば、解決もどこか共通の方法があるのかもしれません。100坪の戸建をもてあまして引っ越す高齢世帯も多いとか、でも北広島団地の住民は比較的余裕のある人が多いので、分譲の空き家を処分しないで抱えてしまうため物件が回転しない…という話も、まるで千里の話を聞いているようでした。

1杯100円の「作り置きしない」コーヒーをいただき、遠くのニュータウンがつながることは、意味のあることなんだろうなあと思いつつ、次のニュータウンに向かいました。この秋、50周年を迎える千里は「一番早い」ニュータウンですから、再生のアイデアに関しても「ほかのニュータウン」の手本になれば、「ニュータウン観光」というジャンルも作れるのではないでしょうか?千里のような大規模ニュータウンは、全国に39個もあるのです。(300ha以上、1991年建設省調べ)

(by okkun)

コメント

  1. 長江 より:

    ふれて宣言、宣言だけに終わらず実質をともなうセンターになれば素敵。人工的な街づくり、これからが正念場ですね。

  2. okkun より:

    このセンター、昨年スタートしてすでに大勢の地域住民に愛される場になっているようです。HPに出ている「通信」を見ても多彩な活動の展開されている様子がうかがえます(HPのアクセス数はまだ少ないけれど…)。
    http://furete.doorblog.jp/
    「大阪から来られました~」と2階の利用者の方にも紹介していただき、おおいに歓迎していただきました。ニュータウンのまちづくり、40年や50年たったぐらいでは、まだまだこれからです!

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