行基展あと1週間に迫る

行基展(「大僧正行基展―なぜ菩薩とよばれたか」)の開幕があと一週間と迫ってきました。4月20日(土)から6月2日(日)まで44日間、開催されます。奈良時代の高僧、行基(ぎょうき、ぎょうぎ)の事績と吹田とのかかわりについての展示です。

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                (堺市博物館蔵、展示資料)

タイトルに「大僧正」と「菩薩」というふたつの呼び方があることが、行基のおもしろいところです。「大僧正」は大仏建立に際し、勧進(資材調達)を依頼され、律令国家(聖武天皇)から授与された位です。史上初の最高位にもかかわらず、行基自身は本懐に非ずとして喜んでいません。

他方、人びとは「行基菩薩」と呼んでいました。かれ自身がどう思ったかは、記録にのこされていません。大乗仏教でいう「菩薩」とは、利他行にはげむ修行者をさします。寺にこもって修行する僧侶を「菩薩」とはみなしません。行基は当初、土木事業による民衆支援、社会福祉事業による民衆救済を実践したため、律令政府から名指しで「小僧行基」と指弾されました。しかし、国家事業の大仏造立にはその力を借りなければならないほどの勢力を形成していました。

行基が率先して橋をつくり、池を掘ると、一気に完成したといいます。集団の統率力、経営の手腕が格別に優れていたとおもわれます。超自然的な眼力もそなわっていたようで、後世の説話にはそうした面が強調されるようになりました。近畿で四十九院を建立したと正史『続日本紀』に記されていますが、全国各地に行基開創の伝承をもつ寺院が多数存在しています。吹田の佐井寺、常光円満寺、観音寺もそうした例です。

イベントでは行基にちなみ、古代を彷彿とさせる雅楽の演奏や舞楽がオープニングの日(無料観覧日)に組まれています。また、大仏のお面づくりや自前の「ほとけ」づくりのワークショップもあります。老若男女を問いませんし、子ども連れも歓迎です。

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以上、前宣伝ですが、ご期待ください。(アルプスの少年)

以下、追加(おーぼら)

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大仏さまのお面づくり4月27,28日

ワークショップ5月5日(月・祝)

土の宝石

コメント

  1. 団塊の婆 より:

    行きます、行きます。
    だいたい、行基さんがどんなことをしたのかよくわかりません。
    あちこちのお寺で「行基さまが建てられた」と聞きます。
    どうしてそんなにたくさん建てられる?

  2. アルプスの少年 より:

    西は長崎、東は関東まで、行基が開創したというお寺が200ヵ寺ほど存在するようです。行基の自称「弟子筋」の人たちが活動していたにちがいありません。空海にも似たような伝承がありますが、その先駆が行基です。

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