千里ニュータウン展特別付録も7月23日(日)をもっておわります。市民委員会の皆様からは、「人が入っていない、寂しいよー」とのご批判をいただきますが、イベントをやる金も力も尽き果てて、すいませんでした。でも入場者数は、昨年の同時期と比べるとずっと多いそうです(ふだんて、どんな入りや?)。
さて、これからの博物館の展示とも催しものの予告です。
8月5日から9月15日は、『吹田の景観を掘りおこす』の展示をおこないます。恒例の「埋蔵文化財発掘展」に新しい趣向を加えました。特展室の中央部には、発掘された出土品や発掘風景の写真を並べますが、ほかにも「さわれる」土器などをおいて、皆様に考古学にもっと親しんでいただくことをめざしています。
陳列ケースには、ゾウやワニがいた200万年前から現在の千里ニュータウンまでの景観の想像復元図や写真とともに、復元の基となった発掘品や古文書、品物を飾ります。
吹田や千里丘陵の地層からはアケボノゾウやメタセコイヤの化石が発見されていますが、あれは、200万年以上も前、人類が日本列島にあらわれる以前です。しかし、約3万年前の氷河期になると、大陸からナウマンゾウやオオツノジカなどの大型獣を追って、人類が石器を手に現れます。その後、縄文時代にむかって気候が温暖化したために、海面が上昇したので、大阪平野は沈没してしまいます。ところが、5000年頃から気候は寒冷化に向かい、吹田の景観は現在に近づいて、弥生時代の水田稲作の導入とともに現代にいたっているのです。本格的な農業のはじまりによって、生活が安定し、人口も増えると、人間は自然に激しく手を加えるようになります。その最たるモノが、丘全体を引っぺがして、町に変えた千里ニュータウンでしょう。
総合地球環境学研究所の佐藤洋一郎さんは農業の始まりが環境破壊の始まりではないかと言いますし、現代のテクノロジーは地球を破壊してしまうのではないかと危ぶむ声は今高らかに叫ばれています。景観の変化は自然要因によっても人為的要因によっても起こるのです。200万年以上にわたる吹田の景観を通覧することによって、環境問題をしっかりと考える展示にしたいと思っています。
イベント、講演、シンポジウムが土・日を中心に数多く計画されていますが、その詳細については、これから順次紹介していきたいと思います。
イラスト:安芸早穂子さん 『縄文の子どもたち』朝日新聞社より
(by カンチョー)
コメント
『特別付録』が終了して・・・来週から、このブログのタイトルは・・・ 『吹田の景観を掘りおこす』『吹田博物館の傾眠を揺りおこす』『博物館のひっそりカンをどないする』・・・・・どれにしようかな・・・だーれかさんに聞いてこよーっと。
『千里ニュータウン展』の「特別付録」じゃなくて、今やってる展示の付録だったのかなぁ・・・