春の特別展@すいはく 丹波の大恐竜

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「人はく(兵庫県立人と自然の博物館)」の三枝春生さんに講演依頼とうちあわせに行ってきました。日本にはどんな大型獣がいて、なぜ絶滅したのかを古生物学の立場からきっちりと説明してもらいたかったからです。

前にも書きましたが、わたしたち考古学者は二万数千年前までいたというナウマンゾウは、縄文人の祖先が食い尽くしたのではないかという疑問を持っているのですが、三枝さんは、そんな新しいところ?、わたしは(ゾウでも)系統的発生が専門なのですという。話を調整するため、恐竜発掘で大変いそがしいなかを無理にお願いして、タカハシ君とあわてて出かけていきました。

吹田からはゾウの骨が出るんです。
「アケボノゾウとはシガゾウとかいわれてますが。ゾウは何系統か大陸からきたようです」
「マンモスも北海道あたりでうろついていたかもしれませんね」
「サー、はっきりした化石がないとね(学者はキビしい)」

前の「景観展」では歯、牙、その根元の骨などをかざったのですが、観客から左右どっちの歯や?この骨はどの部分?、大きさは?アケボノゾウ、ナウマンゾウはどう違う?などきびしい質問がいっぱい出た。
こんどはそのあたりを明確にした展示をしたいと思っていますと言ったら、
「実際の骨を見るのが大切です。うちの博物館の顎骨をもっていきましょうか」
「子どもが喜ぶでしょうねー」

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話はどうしてもキョウリュウのことになる。
「恐竜は何処に?」
「山南市の川沿の丹波層群のなか、時代は、1億4000年前(100万年などすぐズレますねー)
「吹田にそんな層があるのかなー、箕面の山からアンモナイト化石が出ていると聞いたことがあるけど、ほぼ同じ年代でしょうかねー(100万年単位で考えればね)」

「恐竜の発掘現場はみられますか」
「学術調査だし、危険だし、入れてません」
「恐竜の化石もってこられませんか(と性懲りもなく聞く)」
「そりゃムリです(あたりまえか)」

しかし、「恐竜は町おこしにもつながるので山南市の市長が熱心です。一段落したら、夏休みにでも、山南市でキョウリュウを見つけようという企画をしてツアーを組めばいかが?」
「市のトップ同士の話し合いになるでしょうね」
「よろこんで案内しますよ」

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ひとはくの前館長だった河合(雅雄)先生に「うちは研究会議をやめて、経営戦略会議にした。今からの博物館はそうやらなやってけん」ときいたことがある。さすがにその薫陶を受けて、柔らかな発想をするなーと感心した。
というわけで、
三枝さんの講演は4月29日(日)『近畿にいた絶滅動物たち』
ということになりました。
(カンチョー)

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上:2月15日より恐竜化石を含有する泥岩層の発掘が始まった
ひとはくHP「恐竜化石発掘最新情報」より
http://hitohaku.jp/top/kaseki_news.html
中:試掘をする三枝研究員
ひとはくHP「丹波地域で発見された恐竜化石について」より
http://hitohaku.jp/top/news.html
下:三枝春生氏

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