講演会「焼損材は寸法を残していた-吉志部神社本殿の復元」

10月11日(月・祝)、櫻井敏雄氏の講演会「焼損材は寸法を残していた-吉志部神社本殿の復元」がありました。櫻井さんは焼失した吉志部神社の本殿の再建に大きな力となってくださった方です。

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社殿が重要文化財になる前から目をつけ、調査をなさっていたそう です。
建築の復元には;
1.すでに存在している建物を、後世の改築を排除して、オリジナルなものにすること
2.失われてしまった建築を絵図などからつくりあげる
3.火災にあった焼損材調べて寸法を割り出し再現する
という3つの方法があります。
吉志部神社は3にあたり、あまり例はないが、非常にうまくいったそうです。調査のポイントは、焼損材の実測から基本的寸法をみつけること、そし て、不明な部分は過去の写真資料を活用、それでもわからないときは同時代の類例を参照することだそうです。
調査に際して、とくに注意を払ったのは、蛙股、海老、虹梁、斗繰などの素材の曲線だったそうです。その結果、床高を基準とする正方形を積み上げ て、建物を構成するという基本に従って、本殿を復元することに成功したそうです。
調査中、まいったのは、焼けた木材からは細かい炭素粒が舞い上がり、鼻や、つめが真っ黒になったこと、専門家というのはそれなりに大変なんです ねー。

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最後に神道の思想に言及、基本的には自然崇拝だが、稲の豊作を願っている吉志部神社も釈迦ヶ池の恵みを嘉しているのではないかと考えられるそ うです。

講演のあと、展示場で、実際に焼材をみながら解説をしていただきました。西本さんの労作、本殿のペーパークラフトを激賞していだきました。もっ と、もっと聞きたいことがある、と思った講演会でした。

(カンチョー、きょうちゃん)

コメント

  1. 団塊の婆 より:

    「構成の改築を排除して」は「後世の改築を…」
    「炭素流」は「炭素粒」でしょうね。
    ちょっと解釈しにくいかと…。
    PCをお仕置きしてください。

  2. rany より:

    団塊の婆さま、ありがとうございます。謹んでお仕置きさせていただきます。

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