11月13日(土)14時~16時、すいはくでは奈良大学の西山要一先生の講演会「災害から文化財を守る -海外の洪水・地震・戦争の被害から学ぶ-」がありました。
講演の要点は3ッありました。
-ここからレジメの転記-
①イタリア・フィレンツェの大洪水(1966年)
フィレンツェの大洪水によって被災した歴史的建造物、壁画、絵画、彫刻、文書は膨大な量に上った。イタリア政府や学会、修復家は緊急時の文化財の救済体制の必要性と保存・修復体制の強化を計画実施し、新たに多くの修復家がそだてられた。これによって、イタリアの文化財保存技術は大進歩を遂げ、保存修復の世界的中心となり、現在に到っている。
②イタリア・アッシジの大地震(1997年)
アッシジの地震によって文化財に被害がでたとのニュースが報じられると、イタリア全土のみならず、フランス・ドイツ・イギリスなどの保存・修復家が瞬く間に現地に駆けつけ、建物・壁画の救済と修復に携わった。
一刻も早い救済が必要なのは人も文化財も同じこと、国のあるいは国際機関の指示を待つのでなく、個人がグループが自発的に自己の規範に従って、かつ個々に責任わ持って行動した。
地震による建物の挙動やは小片となった壁画の復原にコンピータが使われ、マンパワーとともに重要な役割をはたした。
③レバノンの戦争被害(1975~2000,2006年)
戦争は文化財を破壊するのみならず、社会、文化、教育をも破壊する、最も野蛮な行いといえる。戦争や盗掘によって破壊された文化財や遺跡の修復は、歴史や文化の理解にとって文化財がどれほどに大切なものであるか、次の世代にどのように伝えていくべきかをかんがえさせてくれる。
(きょうちゃん)
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