ドングリの食べ方

画像縄文人になっちゃってナラ枯れを心配していた記事について、ドングリの食べ方についてコメント欄に質問がありましたので、お答えしておきましょ う。

堅果類はデンプン質なので、腹の足しになり、エノルギー源になり、貯蔵も簡単なので縄文人の主食糧として重要だったと考えられています。堅果類はクリ、シイ、マテバシイ、ブナなどそのまま食べられるものと、ミズナラ、クヌギ、トチなどはアクや毒抜きをしなければ食べられません。生食できるクリは三内丸山遺跡の花粉分析によって栽培が確実視されているように、縄文人にとっては重要なものでした。シイの実も夜なべしながら母さんと食べたように、身近かな食べ物でしたね。

その一方で、アク抜きも早くから知っていたらしく、そもそも土器の発明は煮沸してアク抜きするためだったという説もあります。水にさらしたり、 穴に埋めておく、シバレル夜に外に出しておいて凍らせるという手もありました。
ドングリはタンニン、トチはサポニンが苦味のもとで、これらは水に溶けやすく、熱で分解できるという性質を見抜いていたのでしょう。水さらしにつ いては、キャッサバ、マンジュシャゲ、テンナンショウ、さらには猛毒の青酸を持つソテツまで世界各地で利用されていたことが知られています。どこで、誰が考えたのか、あの手この手と、わたしたちの祖先は研究熱心だったのですね。

最近、この分野について不勉強なのですが・・・ドングリは縄文時代の当初(草創期 12000年前)から、南九州の遺跡から出土しています。カリフォルニアでもほぼ同時期に利用が見られるそうです。その後も大量に処理されたり、貯蔵されたという例こそ乏しいものの、縄文時代を通じて、盛んに利用されたことは確実だと思います。
一方トチは、三内丸山遺跡などで、湧き水の周辺で処理されたあとがいくつか知られています。わたしは、後期から晩期に非常によく利用されたという感触を持っています。その伝統は、日本の山がちの地域では現代まで続いているのです。トチモチ、トチノミセンベイなどは今でも飛騨や東北のお土産としてよくめにしますね。

(カンチョー)
写真はマテバシイのドングリ(Wikipediaより)

コメント

  1. 団塊の婆 より:

    食べられる、という点では、「どんぐり」とひとくくりにされるのがどうも面白くないですね。写真のどんぐりはマテバシイですね。
    トチは武田信玄が大切にしていたという話を聞いたことを思い出しました。滋養があるとか。
    そこで、食品成分表を引っ張り出してみるとなんとトチだけでなく、シイの実が出ていました。
    ただ、シイが生の実で、トチが乾燥の実と書いてあるので比較するのが難しいので栗と比較してみました。
    なんと、シイの方が蛋白、脂質、糖質、がおおく、カルシウム、リンなど無機質もおおいです。当然カロリーも3:2くらいでシイの方が多いですね。なのに縄文人が栗を栽培したのは大きさですかね。なんだか面白くなってきたわ!
    トチの生の実の成分分析の結果がほしいです。。。。。。
    だれかトチとマテバシイの成分分析をしてくれないかしら…。

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