「吹田の自然と環境 ~30万年の景観史~」レジュメ

1月15日(土)のシンポジウム「自然と環境を考える」の基調講演で吹田市(北摂)の歴史と自然を考えるというテーマをあたえられて、こんな手法をつかってみました。

過去を復元、あるいは予測するためには発掘品や古文書が手がかりになります。しかし、得られる情報はほんの一部分でしかありません。考古学者がよく陥るのは、見つけてないもの=0というワナです。それを避けるために、まず、これまでの資料を手がかりに想像できる「景観」を絵にかいてみる、すると、どれほど情報が足りないかがわかります。それでも、30万年という時間を大きく眺めることができます。今回はイラストレーターの片岡さんにお願いして、各時代のリードとなる、絵を描 いていただきました。まだまだ不十分で、これから磨くことが必要なのですが。これまでの過程で片岡さんと話したこと、わたしが考えたこと、これから何を見つけていくべきかを話したいと思います。

「吹田の自然と環境~30万年の景観史~」
景観は気候と人によって変わる

1.ワニのいた時代 30万年前
画像昭和39年(1964)発掘、@阪大キャンパス…マレーシアのガビル種?ワニの生態、激しい闘争
地殻変動、気候も。
北摂に湾、湖 …地形は現在とまったく違う
植物 メタセコイヤ、草原

2.ゾウのいた時代、ヒトが現れる
後期旧石器時代 、ナイフ形石器(ゾウが殺せたか?自滅?)
アケボノゾウ、ナウマンゾウ
氷河期 草原と針葉樹
瀬戸内海は川だった
花粉分析の必要性?釈迦ヶ池?

3.縄文海進 縄文前期 6~8,000年前
画像気候温暖化、 小松さん「縄文人は車を使ったのか?」
照葉樹林、閉ざされた、住みにくい環境 vs 東日本の落葉樹林
狩猟採集-農耕(焼畑?):西日本は後期から?
火山活動(アカホヤ)

4.稲作の始まり2000年前 弥生時代
画像環境に対し人の手が本格的に入る
鉄器の導入、交易
低地、平地を水田にー灌漑、治水
はじまりは小型水田
里山
社会の階層化-魏志倭人伝 クニ、ヒミコ

5.大土木工事の時代 1500年前、古墳時代~奈良
画像動・植物相や地形の大きな変革
人口増ー移民、人も変わる?
古墳、溝、池、運河、班田収受ー景観の変化
窯業-瓦、須恵器の大量生産:多量の薪(二次林と薪炭林-落葉樹)

6.牧(馬と自動車) 400年前
画像中世の戦乱期-城跡
農業以外の産業へ?- 一時的な現象?
混乱する中央、地方の充実

7.瓦版(鳥羽伏見の戦い)、釈迦ヶ池(鴨猟事件) 150年前
ミクロ経済とマクロ経済
安定した田園風景
NT的性格?

8.都市化へ:アサヒビール工場 120年前、明治23(1890)
人口増

9.千里ニュータウン
画像人口増
ヨーロッパ的な景観
燃料(石油))、建材ーエコロジーの輪(循環)の崩壊
汚染
ゴミ処理
水源

10.そして現代-わたしたちの問題
残された風景遺産
放置するのがベストか?
テクノロジーへの期待
地球的変化(日本だけの問題ではない)
何処へ?

(カンチョー イラスト:片岡朋子)

コメント

  1. みっちゃん より:

    イラストが今までと違う!? と思ったら、片岡さんでしたか。 片岡さん、頑張っていますね。時々博物館へ自転車で向かう姿を拝見していますよ。

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