中西家には、元禄16(1703)年に作成された東村の名寄帳(なよせちょう)があります。名寄帳は、田畑屋敷の等級・面積・石高等を所有者ごとに記載した帳簿です。検地帳をもとに作成されました。所有者がかわった場合は、名前の上に紙を貼って訂正してありますが、貼り紙に書かれた最も新しい年紀が文政10(1827)年なので、実に120年以上も使われ続けていたことが分かります。管理は代々の庄屋が行っていましたが、中西家には18世紀頃に伝わったと考えられます。
そんな「名寄帳」、実は現在でも日本全国で作成されています。
「土地・家屋台帳」がそれで、
現在は市町村役所の資産税業務を担当する部署(吹田市なら税政部資産税課)で管理されており、名前こそ変わるものの、その基本的な記載事項は江戸時代のものと共通しています。
社会は目まぐるしく変化していきますが、中には何百年も前とほとんど変わらないものもたくさんあります。「いま」の中に「むかし」と同じもの、変わらないものを見つけたとき、遠い「むかし」がとても身近に感じられるような、そんな気がします。
(璃楽間)
コメント